単に必要に駆られて学ぼうとしても、あまり効果は上がらない。
それは納得や快適なしに、理屈だけで無理やり動こうとしているためだ。
その分野の学習が、より広く見て自分の感情や生き方にどのようなプラスをもたらすかが明確であれば、自ずと学び方もモチベーションも定まる。
現実解。
まずは「どのようにスキルを楽しくイメージできるか」だけを考えよう。
意識すべきは、
・動機:どうしても譲れない自分だけの背景や感情と結びつけて、動機を打ち立てる
・導入:学ぶ対象には、学び方の導入が無数にあり、対象を解きほぐしてイメージを構築する
という2点だ。
教材のカリキュラムに反してもいいので、まず自分がわかる要素だけを狙って着手することだけを考えればいい。
会計がわからない営業マンを例に挙げよう。
動機は「会計がわかれば、営業を組織全体から捉え直し、数字から理解できる!」という視点を持つ。
導入は、まず「なじみの深い売上を分解して仕入と在庫を捉え直し、帳簿付けの総務機能のコストや営業・経常損益がいかに計上され、最後にどう純利益が残るか」という損益計算にざっくり着目する。
次に「貸借対照表にさっきの純利益が計上されている。自分が運転している社用車が資産に計上され、x年落ちでy円減価償却されている。次の社用車を買うためにz円借り入れする。支払いサイトがd日だから、売掛金が幾らぐらいになる…」といったイメージを持てばいい。
データベースがわからない経理担当者を例に挙げよう。
動機は「データベースがわかれば、数字を会計だけでなく組織全体の分析まで広げられる!」という視点を持つ。
導入は「そもそもデータの保管や処理について、具体的にどのような仕組み(RDBMS)があり、それをどうやって引っ張り出して再構成し(SQL)、保管のために適したデータ構造や、最適な読み込み方が存在する」というイメージが持てれば十分だ。
その上で「BIツールやEXCELでデータを引っ張り出し、見せ方を工夫すれば、予実管理や営業分析にまで数字を活用できる」という、より具体的なイメージを深めていく。
各論の知識は、基本情報技術者試験の内容などから、そこに肉付けしていけばいい。
これらに共通した発想は、出来ることや馴染み深いことから手を付けてわかりやすいイメージを作り、その上で各論に持ち込むことである。
「お金のため」「ビジネスやキャリアのため」にカリキュラムを消化することに限界を感じたなら、まずは自分で見えている自分の言葉に従おう。
(どうしても頭にフィットしないなら、もちろん一旦切り離してみるのも手だ。しばらくして再開したくなったら、また始めればいい。それも立派な動機づけである。)
一対多数の講座のカリキュラムとは、教える側の都合で作られた物事に過ぎない。
自分にフィットせず、効果が出づらいことなどよくある話だとわかっていれば、まずイメージを重視するといいんだよね。
..遠藤武