AIやRPAやブロックチェーンやIoTやクラウド化といった分野が、今注目を集めている。
ここには、往々にして「ITを学ばない人材は消えていく」という、煽りのような「テクノロジー語り」が目立つ。
本来必要な論点は「学んで工夫すれば簡単には消えない」という、極めて人間臭くアナログな事実である。
現実解。
これは、データサイエンスや統計学による意思決定やビッグデータが、少し前に注目を集めたことと同じ現象だ。
実際のところは、どのような分野で手作業や事務がテクノロジーで上書きされ、どのような分野でアナログが重要であり、どう組み合わせていくか……という点が重要である。
大多数の不用意なテクノロジー語りに共通して言える事実に、このような「テクノロジーとアナログの組み合わせの最適化」という視点が欠けているのである。
これはなぜかといえば、テクノロジー語りの上で、売り込みのためのアナログな意思決定や思惑が噛んでいるためだ。
そもそも、不用意でない真っ当なテクノロジー語り(=CIOの意思決定向けの現実的な情報)については、仮に売り込みがあろうとも、このような煽りは皆無だと言っていい。
この違いには「意思決定する人なのか否か」という大きな違いがある。
アナログのままであろうと、意思決定する人は、テクノロジーの知見がなければ負けてしまう。
意思決定しない大多数の層に向けては、煽りで気づかせるという売り込みが隠れているのである。
裏にどのような意図があるかを探り、テクノロジーを知りつつその限界も探ることについては、テクノロジーだけでは解決できない問題が多くある。
本当に危機感を持って動くなら、「どう最適化できるか」を意識して気分良く動いたほうが、煽られるより気分良く意思決定できる。
..遠藤武