外資企業といっても、営業・ファイナンス・マーケティングといったポジションがある。
また、コンサル・IT・製薬・スタートアップといった業界や特徴の区別や、
米系・欧州系・アジア系といった要素など、キャラクター付けの要素は多岐に渡る。
複数の業種の経営・マネジメント側を経験している立場で本音を言うと、
「データを通じ、組織全体の分析や意思決定に関われないなら、どれもタコツボであり大差なし」
と断言して構わない。
ここからはいつもの現実解。
単に「外資企業の流儀に染まって、これだけ成長できました」と言うつもりなど、毛頭ない。
むしろ外資企業(特にコンサルティング会社や金融機関やIT企業)で用いられる知的生産は、
自分の出身大学のアカデミックプログラムで学んでおり、それを薄めたビジネス版を意識する程度で十分だった。
「外資金融と外資コンサルティング会社の上位以外は、さして特別な価値はない」
そんな傾向が10年ほど前には確かにあった。
それはマスプロな大学のサークルで好んで群れた人の話であり、
もはや既に過去の話である。
例外は、コードが書けて、計数管理とマネジメントが出来て、
自分で自分の意思決定をお客様のために決断・実行・創造できる、
ハードスキルとソフトスキルの両方があるポジションである。
もっと踏み込むと、
・プログラミングやBIツールでデータを扱う技術と構成力が個人にある
・組織の数字を有機的に眺めることができる
・サービスを通じたお客様のケアを創造・想像できる
という意味である。
「あれ?これって自営業じゃないの?」
と思わず言ってしまっても、全く差し支えない。
私は今までの仕事で、世界3大IT企業のプロジェクトや、
コンサルティング会社出身者や、外銀出身者と多く関わったことがあるが、
日本人でもそうでなくとも、経営者であってもミドルマネジメントであっても、
大多数はトータルから物事を見る発想を持っていなかった。
要は、皆が皆同じ方向ばかりを見続けており、
自分の足元一歩一歩を楽しく疑うことができていないのだ。
テンプレートに身を委ねるするサラリーマン意識でぼんやりと壁を作って、
異分野から学ぶことに興味もなく、タコツボに籠もり、
抜本的に成長せず満足しているのである。
外資スタートアップ企業だとしても、
規模が大きくなり尽くし、日本で認知される頃には、
上意下達のサラリーマンであることに変わりはない。
(従って、おすすめは「外資の日本法人の設立コアメンバー」だ。)
このような実情は、何も外資企業に限らず、
医療でも士業でも、飲食店でもサービス業でも、
あるいはスタートアップ企業でも、それを支援する企業でも同じである。
異分野から学び、そこから全体像を描き出して応用力をつけていく。
この学びがあったことは、外資企業の経営・マネジメント部門を渡り歩いて、
年収が倍々ゲームで増えていったこと以上に感謝している。
その経験や事実を得て、多くの理論や先達の言と照合し、
一点の曇りなく素直に言行一致で腹落ちできたことは、
正直に言って自分でも驚きであり、数億円の価値ある経験だと即答していい。
学ぶということは、このように抜本的に前提から楽しく疑いをかけて、知識と行動に移すことなんだよね。
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遠藤武