自発性とは、才能の在り処である。
マネジメントにおいて、自発的にやらない・できない事実を嘆く必要はない。
単に、才能に頼らない。別なアプローチを取ればいいだけの話だ。
現実解。
特にスタッフマネジメントに関して言えるが、
個々人に自発性がないことは悪ではない。
真面目なオーナー経営者さんほど、
「何を言っているんだ!」と、
思い切り憤慨するかもしれない。
オーナー経営者さんと異なり、
99%以上のスタッフは、
そもそも生活のために働いている。
その事実を先に認めよう。
要は、小規模なオーナー企業において、
圧倒的多数のスタッフに対し、
一方的に自発性を期待することが、
仕組みとして間違っているのである。
そんな企業には、仕組みが一切無いと言い切って構わない。
これは、残念な事実だが、
経営者さんの怠慢と言うほかない。
自発性があって実力があるばっかりに、
組織が用意した仕組みから逸脱してしまったら、
組織のマネジメントとしては元も子もない。
この事実を深く刻み込んで認めよう。
仕組み化に必要なことは、
次の一手としての「行動」を導くことだ。
まずは「何がしんどいのか」を把握すること。
更に、小学校3〜5年生がわかるレベルまで、
仕事の流れをA41枚でシンプルにまとめること。
(私のサービスでは「A41枚ワークフロー」と名付けている。)
自分の常識を捨てて、目の前の非常識を受容すること。
組織が組織になるための自発性は、
このような愚直な「次の一手」だけが導くのである。
個人に期待するのは、個人事業主相手だけで十分であり、
スタッフマネジメントの観点からは個人に期待することは害毒だ。
自発性のある個人は、
そもそも自分で自分のために仕事をしてしまう。
経営者さんのレベルを超えてしまう。
繰り返すが、そうなってしまっては、
組織としては元も子もなく、
ただ単に時間とコストを浪費するだけである。
まずは事実を事実として認めよう。
組織としての自発性のほうが、
個人の自発性より重要だと認めよう。
組織が個人の自発性を伸ばす。
そのような流れがあれば、それは組織の才能となる。
組織が個人の才能を伸ばすのである。
成長が成長を呼ぶのでなければ、企業や組織のような、
わざわざ人とお金を集めて作る面倒ごとは、世の中に不要である。
言い切ってしまうと、
愚直かつに丁寧に作り込まれた組織は、
スタッフさんから愛される。
それだけで、マネジメントの半分以上は上手く行っているんだよね。
愛着が先行する形を創ってしまえば、
マネジメントがそもそも楽しみになるのだから。
boxcox.net、遠藤武。