マネジメント手法と人間性を掛け算すれば、
前向きに個々人を伸ばすことができる。
マネジメントをするなら、まずこれを意識すべきだ。
現実解。
一般的に、テイラーの科学的管理法のような、
「ストップウォッチで時間を測って、仕事を標準化する」
という手法は、非人間的であるとされる。
これは実は誤りだ。
そもそもこのような手法そのものが、
「どうやったら仕事を標準化できるか」
しか提供していないことを、鵜呑みにしているだけである。
これはただのコントロールでしかない。
大前提となる問いとして、
「どうやったら標準化を果たした上で、前向きな組織を作ることができるか」
を設定すればいいだけの話だ。
マネジメントの解くべき問題を間違えないよう、
テイラーの科学的管理法 × 人間性の尊重
=組織全体の前向きな「できる化」
といった具合に、必要な掛け算を過不足なくしていけばいいのである。
時間を厳密に測ることは、ただの手段でしかないため、
人が成長するには「逃げ道」を用意しておく必要がある。
マニュアルやワークフローを、
・1つの作業を5分・15分・30分で区切る(これ以上短くも長くもしない)
・小学校3〜5年生でわかる書く短い日本語で書く(1文は15文字程度、かつ3行以内程度)
・A4用紙1枚のフォームで完結させる(作業は5〜7項目まで)
という形で、完成する仕事1単位につき、紙一枚でシンプルに書くことを私は推奨している。
その際に「熟達者なら1つの作業が1分で済むところを、
敢えて所要時間5分にして、意図的に“ラク”を演出する」ことが大事である。
たったこれだけで、出来なかった人が、嘘のように出来る人になる。
この理由は教育心理学や行動分析学で言うところの強化である。
心理的な焦りを真っ先に避け、
次のToDoを愚直に果たすことができれば、
それだけで組織全体を勝ちにいざなうことができる。
素直に動ける人なら、確実に次の行動を増やしていける。
ちょっとした優しさの組み合わせだけで、
マネジメントが前向きに進んで行くという事実は、
仕事をしていて一番楽しくなる瞬間なんだよね。
boxcox.net、遠藤武。