「経営を見える化しろ!可視化しろ!」
そう叫ばれて久しいが、
可視化とは、事実を素直に認めて、
可視化した行動を変える/残す決断を下す、一連の仕組み化だ。
そうでない可視化は、ただのお仕着せである。
仕組み化して負担を減らすなら、
まずは可視化することが先決だ。
「可視化しました!」
そう喜び勇んで、
単にメモ書きを見せられることがあるが、
それだけでは全く足りていない。
思いつくだけでも、
営業にどんなボトルネックがあるのか、
営業フローは明確になっているか、
見込み客情報が共有されずに滞っていないか、
それをどう解消するか、
事務方でどんなボトルネックがあるのか、
事務処理の精度に問題はないか、
事務処理の速度に問題はないか、
それをどう解消していくか、
そもそも不要な業務を抱え込んでいるのではないか、
そもそも経営者や特定のスタッフが仕事を抱え込み過ぎていないか、
それをどう解消していくか…
のように、
大づかみから入り込んで、
だんだん細かく切り分けていくと、
現実的に問題を解決するための、
ピン!と来て実行しやすいToDoに行き着く。
要は、難易度が下がるのである。
タイトルの答え合わせをしよう。
可視化とは、納得して「難易度」を下げることだ。
「ハードル」を下げるという別解でも構わない。
細かく見ていった物事を、
しつこくPDCAサイクルを回し、
ToDoも細分化していき、
愚直に「何が根本的な原因か」を捉え、
かつ「どうやったら難易度が下がるか」に基づき、
潰しやすくなった課題を、集中的につぶすのだ。
使える仕組みを持つに際し、
やっと「これだ!」と納得できるとしたら、
イメージがつき、難易度が下がったという状態に他ならない。
これは経営者であってもスタッフであっても同じだ。
単にお仕着せで仕組みを提供しても、
誰も納得しないだろう。
文字通り、ハードルが高いままだ。
ハードルが高いままの課題をつぶそうとしても、
足し算と掛け算の区別がつかない小学生に、
連立方程式を解かせるようなものである。
そうではなく、
「これだよこれ!」
というピン!と来た主観が、
問題にハマるまで誘導することが大事なのである。
だからこそ、事実を素直に認める。
自分の実力も、素直に認める。
自分の実力から判断できる形に誘導し、
主観的に認めやすい化してしまうことが、
見える化の本質だ。
主観的に認めたということは、素直にピン!と来た物事だ。
ついつい行動したくなるくらいのモチベーションが、そこにある。
それだけで、行動する上での難易度は、既に下がっているのだ。
無理やり納得するのではなく、
納得に至るまで素早く切り分けていく。
要は、簡単な足し算引き算の早解きだと思っておけば、
可視化することそのものを可視化できる。
ちょっとした積み重ねが、
本当の意味での可視化につながるんだよね。
boxcox.net、遠藤武。