ビジネスが行き詰まったら、
無駄をなくして圧縮するといい。
「これは自分がやる必要がないことだな」
と確認して絞りこんで濃度を高めることが、
自分の動き方を根本から作り替えることになる。
「売り場面積を2-3割小さくして、残りの7-8割に商品を集約し、余白で新しいことを試す」
という常套手段があるが、発想はこれと同じだ。
余白がないことには、余裕ができない。
高級ホテルは、そもそも余白だらけだ。
最後にサラリーマンを経験した企業での最終面接も、
帝国ホテルによく連れていってもらったアナリスト時代も、
けっきょく余白をしっかり用意することが、
成長の仕組みに必須だと気づくきっかけだった。
僕はオーナー企業の経営者さん向けに、
忙しさから足抜けして業績を倍増する、
オンラインでのトレーニングを提供しているけれど、
これもストレートに言えば圧縮して余白を作る仕組み化だ。
余白は願望や経験を書き込むスペースであり、
余白がないということは「伸びしろ」がないということである。
せっかく日々がんばっているのなら、
余裕としての余白がないばっかりに、
しみったれてしまうのは、ちょっと物悲しい。
せっかくなら、余白を本当に大好きな物事や人とだけ関わり、
心も身体もはつらつとして好循環を起こしたいのが、
成長意欲のある人の願望だろう。
行き詰まった人に相談を受けたら、
「まずは、楽で楽しくなることを目指しましょう!」
と即答しているが、
この本質は選択と集中だ。
本音を丸出しにしたことでしか、
人間は成長できないし、
モチベーションなど保てない。
否、そもそもモチベーションを保とうとする発想自体に無理がある。
ついうっかり楽しくて続けてしまうことでないなら、
それは自分への嘘であって、
モチベーションを無理に保とうとすること自体が、
理路整然と間違っている行動なのだ。
だとすれば、
中だるみした物事を圧縮してしまったほうが、
清々しくはないだろうか。
余白があるからこそ、
物理的にも心理的にも清々しくなるのだから、
メリハリがついて自分の強みが際立つ。
これほど面白い成長は、他にない。
boxcox.net、遠藤武。