組織だと往々にして起こる問題の原因は、
「権限はあっても頭が使えず、頭脳プレーできない」
という事態だ。
経営者を筆頭に、管理職も現場スタッフも、
頭脳を使えていないとしよう。
オーナー企業の場合でこれが起こった場合、
悲惨どころかご臨終であり、
だからこそ経営者どうしで勉強会をしたり、
外部からプロを招聘して、
頭脳プレーを鍛えるのである。
サラリーマン経営者の組織も、
あるいは専門職や研究者や公務員の場合も、
これと同じだ。
頭が固い組織は例外なく没落する。
社費や自腹でMBAを含む学位を取ってくるのは、
頭脳プレーで生き残るためである。
学位はあくまで組織で生きる頭脳プレーの手段であり、
それ単体で万能とはなりようがない。
(学位を取ったからといって誰もが専門家や研究者に適性があるわけではない)
大卒以上とそれ未満の学歴で、
明確に就職や転職が区分されるように、
ある種の最低要件ということだ。
ここでひとつ組織に問題が起こる。
「いくら権限があっても、こいつは頭脳プレーできてないじゃないか!」
と気づき、年功序列の権限に「おかしい!」と、
ストレートに言う人が現れているという点だ。
勉強会をしたり、学歴が重視されるほど、
年功序列を含む上下関係について、
「おかしい!」と言える人が若手にもシニアにも、
そして経営者にも、
出てきているということだ。
実力はさておき、
外資やメガベンチャーに行きたがり、
起業やフリーランスを狙いたがる人が増えている。
コンスタントに実力があるだけの優等生は組織に残りたがるから、そのような発想は今回の人生では出てこない。
浮きこぼれて集中砲火されてしまうほど、
無茶苦茶に実力がある人からすれば、
組織の名前なんてはっきり言って邪魔なだけだ。
どうか、浮きこぼれを「自分って不良のような落ちこぼれだ」と間違わないで欲しい。
組織の名前が邪魔になってくると、
実は「組織の回し方」が、
かえって重要になってくるんだよね。
「座組みの組み方」と言ってもいい。
自分だけの組織が必要ということだ。
必ずしも組織化していなくてもいい。
『ゴルゴ13』のデューク東郷や、
『美味しんぼ』の山岡士郎が、
各方面のプロ関わるのと同じだ。
これを知らずに頭脳プレーしようとすると、
関わる必要のない人と関わって嫌な思いをしてしまう。
そうやって浮きこぼれ続けてしまう人は、
「座組み」「見せ方」で、
ただただ理詰めで判断してしまい、
本音やワクワクする選択肢を取らず、
損をしてしまうのだ。
言うまでもないが、
特に言語と数字について実力をつけることが、
頭脳プレーには先決なのだが、
その実力がついたあとにステージを上げるには、
「権限」という座組みで仕事をする必要がある。
現実解。
特定分野で実力があるのに、
頭打ちになっている場合は、
組織人なら権限不足、
独立しているなら座組み不足を、
真っ先に疑おう。
これらを1%でも10%でもプラスに持ち込めば、
ハードルが下がって大きく化ける可能性が出てくる。
ご縁も売上も、自分以外の他人なしには成り立たないのだから。
boxcox.net、遠藤武。