「練習と本番がリンクしていないと無意味」だと、頭のてっぺんから足の小指の爪先まで染み込ませておくことが肝心だ。
音楽で言えば、基礎練習のエチュード(練習曲)をいくら地味に地道に繰り返しさらおうとも、楽曲演奏のパフォーマンス向上に繋がらなければ無意味である。
基礎練習と合奏の間に、個人の演奏力を高めるための訓練(ソルフェージュ)や知識(楽典やオーケストラスタディや音楽史)や、本番を迎えるための心構え(楽曲や音楽ホールの響きのイメージ、緊張しない心の持ち方)を加える必要があるということだ。このサイクルは、プロ奏者であれば誰でも経験している。
これは「本番から見て、全体としてどのような過程を踏んでおく必要があるか」を見据えるといい、ということだ。
音楽だけでなく、面接で円滑にコミュニケーションを取ることも、プログラミングも、試験対策にも当てはまる。目先の練習や行動にとらわれてしまい、その先に踏み出す機会を逸している場合は、特にこの点に注目するといい。
この基礎練習の成果は、単にひとつの分野だけに役立つわけではない。挫折を経験した先に「今までの経験を、どうやって基礎として活かし、他の分野のアウトプットに転用できるか?」という点に着目するといい。
ぼんやりながらも全体像をその都度想定し、基礎練習の成果として使えそうな既存の経験を当て込む形で、両者をすりあわせながら行動するだけでいいのだ。
英語が好きなら、違いに着目し、フランス語やドイツ語やラテン語やギリシア語に触れてみるといい。
プログラミングが好きなら、違いに着目し、大学レベルの数学や物理学に触れてみると良い(逆もまた然り)。
個人の経験を「枯れた技術の水平思考」のごとく、転用していくのだ。
転用で知識や経験を増やせたなら、地味で地道な基礎練習が、いつのまにか華々しい舞台につながるよね。