「デカルコマニー」の扱い方

daily0 本音たち。

物事を考えるとき、最初はトレースでも構わない。
あるいは部分的なコピペの組み合わせでも構わない。

どのみち、頭と体をどちらも使っていれば「あれ?フィットしない?」という感覚が出てくる。

これは「ここで自分の世界を少しでも良いから加えてみなさい」というメッセージだ。

自分より遥かに上の「天の声」や「神様」からそう言ってもらえた大チャンスということだ。

いっぽうでついつい、
「自分には自分の世界なんてない。自信も確証もない。」
「これって誰かが既にやっていることと同じじゃないか。」
「今さら自分がこんなことをやるなんてバカバカしい。」
という心の声が聞こえたとしよう。

その心の声は正しい。あなたは自分のことをよく理解している。得点率100%で模範解答通りだ。

そんなとき、あえてひとつ意識すればいいことはこれだ。
これは試験でも面接でも商談でもソロパートでもないんだから、堂々と間違えてしまえばいい。
これを無意識のうちに決断できたら、この上なく爽快だ。

無意識のうちに間違えてみることを、意識的に行う。明らかに矛盾している。それでいい。意図的に偶然の発想を起こすチャンスをつくる矛盾のある行動なのだから、むしろ発想自体が矛盾しているくらいでちょうどいい。

これは日本の小学校で触れた人が多いであろう「デカルコマニー」という美術の技法と同じだ。

一言だけ断っておくと、もともとが雑だという人は、正確なトレースや模写やデッサンの基礎をまず大切にしよう。一般的な知識(人文[科]学・自然科学・社会科学)についても同じだ。

「この分野まだまだ雑かもしれない……。」
「知識には自信があるばっかりに、説明が煩雑かもしれない……。」
とギクリとする分野や側面あるなら、その部分はできるだけ丁寧にケアして基礎を正しておこう。

その上で、壁を感じる部分があるなら、デカルコマニーのごとく偶然に任せてしまえばいいのだ。

矛盾を楽しんで状況を打破する技法が、実は美術教育に隠れているんだよね。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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