「権限と権力」の本音 その2

daily0 本音たち。

権限と権力は、特定のシナリオに基づいて特定の空間で与えられた「おまじない」の方法である。
それが官公庁や企業や組織であろうと、政治であろうと変わらない。

明言あるいは明文化された権限や権力のケースを見ていくと、
管理のための管理を重ねて「失敗に対する言い訳」を先に用意している場合もあれば、
100回の失敗をわざと重ねて1回の大成功を得るための「方便」を先に用意している場合もある。

前者は「あなたの経験年数と失敗歴ならここまでね」という、古臭く消極的なおまじないで、
後者は「大失敗していいからグイグイ成長させてね」という、自由で積極的なおまじないだ。

どこかで聞いたことがあるかもしれない、この二項対立について、
提起される問題は「じゃあどっちを取るべきなの?」という点だ。

個人が自由に動くことが是である現代では、
失敗から学ぶエコシステムを先に組み込んでおくほうが、
失敗すら自由に活用できるため、自ずとリターンが大きくなる。

権力と権限は、あくまで方法である。
後者のように、自由に活用するのでない限り、いつか負債と化して滅びてしまう。
(暗黙のうちの権限や権力は、活用できず自由に反するため、負債まっしぐらだ。)

このことに気づいていない時点で大問題だが、
学べず気づけもしない分際で権力と権限を扱う浅はかさ故に、
最後には自滅してしまうのである。

知識不足があったり、ロジックの組み方に不備があったり、心理的な障壁が「差」としてあったとしても、
失敗から学ぶ自由のエコシステムで、いくらでも改善してカバーできるのだ。
古臭く消極的なおまじないに頼ると、上記の差は埋まらず、社会的な立場は何も変わらない。
自由で積極的なおまじないに頼ると、失敗を通じて学ぶことで差が埋まるのである。

本当の意味での格差とは、このように失敗する自由を行使して差を埋めたあとに残る自由の感度の差のことだ。
自由から実績を出すことで、自由でない人や、最先端を追いかけて学んでいない人とは話が根本的に合わなくなる。

社会的地位や、資産の多寡や、現状の権限や権力の差という程度であれば、格差と呼ぶにはいたらない。
組織の流行り廃りでひっくり返るし、実績を出して場所を変える程度でもひっくり返ってしまうものは、さっさと知識で埋めるべき程度の「差」に過ぎない。
次から次へと自由を行使し、常に差を埋めることを楽しんでいる人からすれば、いちいち構っている時間など勿体無いだけだ。

根本的に話が合わなくなるほど、自由な側からすれば、自由でない側に壁が見えてしまう。
このとき、知識を道連れにして、自由を守るために次に移ればいいのである。
面白がって賛同してくれる人は、知識と自由を道連れにしている限り自ずと集まる。

社会的地位や資産の多寡よりも、知識やロジックをどのように自由に扱って、
いかに的確に(かつ素早く)表現するかがこのポイントである。

何らかのストーリーテリングが出来る人は、
それが定量的であっても定性的であっても、
法的であっても詩的であっても、
「おまじない」の超克や活用が的確な場所で出来てしまうんだよね。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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