「合理的な不合理」の扱い方

daily0 本音たち。

今となっては、官僚制とは「合理的な不合理」でしかない。

官僚制は、ヒエラルキーとルールで動くことで、
人の集団である組織の行動を合理化する。

いっぽう、データドリブンが当たり前となった今、
パソコンやスマホさえあればクラウドでシステムにアクセスし、
リモートワークですべてを完結させることが容易に出来る。

こうなってしまうと、意思決定する上で、人の集団である組織とは、
却って不合理な邪魔者である人だらけでしかなくなってしまう。
ヒエラルキーやルール以前に、人が多すぎて固定費ばかりがかさみ、
そのせいでしなくてもいい自滅をしてしまうのだ。

このような状況において、人が発揮すべき機能とは「懐疑心」である。

ヒエラルキーとルールそのものが効率的か否かさえ懐疑できれば、
「なんとなく、ちょっと前までそうだった」という程度の不文律や気持ちを捨て去り、
本当に必要な発想と行動を吟味することができる。

恐ろしいことだけれど、今をときめくスタートアップでさえ、
「人を増やすだけ増やして、組織が肥大してしまい、肝心の機能が見えなくなる」
「既存の常識に囚われて、あえてルールを外れたところから良さを追いかける視点がない」
というような、懐疑心ゼロの意思決定をしてしまう。

こうなってしまうと、いかに良いテクノロジーやノウハウを持っていても、
自分がどのような意思決定をどんなバイアスで行っているかを問えず、
そうやってモタモタしている間に上書き消去され、ご臨終だ。

懐疑心を欠いた合理的な不合理を消すには、
まず「えっ、ありえない!」と思わず自分で口走ってしまう事例を、
次から次へととにかく真似する以外にない。

これを100回でも1000回でも1万回でもこなして、
自分から自発的に「えっ、ありえない!」という視点を提示する。

合理的な不合理を懐疑心で突き破る思考は、
実は純粋に面白い視点を出すことでもあるんだよね。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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