大卒の進路。

daily0 本音たち。

大卒の進路は、
(1)アカデミックスキルを活かせる分野に進む
(2)誰もがブランドと待遇の良さを知る大手企業や公共セクターに進む
(3)大卒のメリットが全くない上記以外の分野に進む
という分類に、否応なしに直面する。

大学を経ることの一番のメリットである(1)を掘り下げよう。
原理原則として、
「アカデミックスキルを活かして、自分で自分のポストや待遇を決められる分野」を、
大学・大学院在学中やその後に炙り出すことに、学びの意味がある。
単なるサラリーマンに留まることはない。

ということは、自分と向き合って学び続けているのである。
ということは、自由を行使して成長できることに他ならない。

懐疑心と知的好奇心を持ち続けられる(=サラリーマン化しない)研究者のような立場が(1)の最たる例だが、
それ以外にアカデミックスキルを活かした立場を前提とする場合、
起業家や作家など、自営業全般を入れてもいいだろう。

いっぽう、(1)と似て非なる存在として「頭の回転」「ワクワクする」という状況を活かした事例がある。
これらは、その時の最大瞬間風速である気分に頼っているのみであって、
実のところ成長機会を作れず、10年後や20年後に頭打ちを迎えてしまうことになりかねない。
起業家や文筆家で、
「言ってることに原理原則がないなあ」
「アップデートせず古臭いなあ」
「冴えない人と同じことを繰り返しているなあ」
という層は、実のところ大学で学ばず、それ以降も学ぶことからドロップアウトし続けているというだけだ。

日本の大学のマスプロっぷりはさておき、
「お金が出来たので、マスプロでない海外の大学や大学院に入り直して、改めて自分の好きな分野を学んだ」
「教育を再構築するために、教育について世界的・歴史的な目線で海外の大学で原理原則を学び直した」
といった人は、特にウェブで見かける起業家やライターでは、いくら稼ごうとほぼ皆無である。

これは「頭の回転」や「ワクワクする」という瞬間風速にとどまり、
(1)で身につくような作法は想像だにできず、
ただただ思考と行動が全く追いついていないというだけの話だ。

(2)のサラリーマンにも言えることだが、学ぶことを放棄し続けてしまうと、
大卒のメリットがない(3)に向けて経年劣化する。

この状況に陥った層は、いくら経験があろうとも、
実は論文や学術書・技術書や古典で上位互換出来てしまう。
彼らは学ばないわけではないが、学びが中途半端という点で共通しているためだ。

経年劣化した層のアウトプットをひとつの専門書だか論文として照らすと、
先行研究の検討が甘く、議論の脆弱性が一発でバレてしまう。

適切な先行研究やベストプラクティスを探して組み合わせれば、あっさり上位互換が出来てしまうのだ。

成長することに着目していれば、自ずと先行研究や世界の動向を掴んで、迅速にベンチマークしていくことになる。
それをできない・していない中途半端ぶりとは、自分で自分の進路を閉ざしていることに他ならない。

これは逆に、自分から学び続ける人にとっては、チャンスを常にプレゼントしてもらっているということなんだよね。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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