クールに熱く機能している、現代的なスタートアップ企業の条件は、
気ままに思いつくところでこんな具合だろう。
・意思決定が物凄く早い
・発想や組織構造に柔軟性がある
・堂々と挑戦し、堂々と失敗して、堂々と学ぶ
・個人の自由な動き方を「これでもか!」とまでに認めている
これらが揃っていなければ、それはスタートアップでも何でもない。
何十億円と資金調達したことを誇ろうと、それ自体は投資家から借金した中小零細企業である。
大きく成長するスタートアップなど、その率は全体のほんの数%に過ぎない。
だからこそ、既存の価値観で動かず、失敗から柔軟かつ自由に学ぶことを重視するのだ。
ある程度成長し、それ以上の伸びが見込めなくなると、
人事から組織構成まで、そこらへんのサラリーマン企業レベルまで、
一気に古臭く落ち込んでしまう。
日系証券会社やメガバンクやVCなど、
金融機関出身者が創業する(あるいは加わる)と、
古臭い集団主義の本音が見え隠れしてしまう傾向は興味深い。
(外資金融の場合、少人数でビジネスライクなフロント業務経験者はこの枠外だ。
他方、アドバイザリー経験者だと、集団主義的な傾向が出てしまう。)
言い切ってしまおう。
「個人の自由など、邪魔なリスク要因」という本音が古臭さにこっそり隠れており、
それが集団主義的な意思決定として反映されるのだ。
船頭多くして船山に登る、とはまさにこれだ。
こうなってしまうと、企業としてはこれ以上の本質的な成長は見込めないため、
集団主義やヒエラルキーというありきたりなほうが都合や居心地が良く、
企業をexitさせる方向に流れ、はい打ち止め…というところまでがテンプレートだ。
これはすべてトップの頭脳で決まってしまう。
スタートアップが、大企業然とした残念な中小企業レベルに落ち込んでいたり、
大企業が、スタートアップの良さを徹底的に取り込んでいたり、
中小企業が、スタートアップも大企業もビックリするような報酬体系を持っていたりする。
これは全て、組織のヒエラルキーの上方の視点(=経営者の視点)がそっくりそのまま反映されているだけだ。
結局のところ、継続して勝つ組織とは、
良さを柔軟に取り込み、組織全体に素早く広げて、
現代的にアップデートしていくことにある。
最初の時点でこれに気付いて実行し、
変化を尊重するマネジメントを用意するだけで、
実は割と簡単に抜きん出られるんだよね。