デジタル化の弱点は「当事者が驚くほどいない」という一点に尽きる。
「驚くほど少ない」のではなく「驚くほどいない」ことを強調したい。
例えば会計システムやSCMシステムやマーケティングシステムの導入に際し、経験のある技術者やコンサルは多くいるが、彼らの99.9%は会計やSCMの当事者経験はゼロである。
要は、外野として業務パッケージ導入の経験はあっても、その業務の実際の経験はゼロということだ。
平たく言うと、自分が作ったり導入を進めたデジタルツールを使ったことがないのである。
また、この逆を言うと、会計やSCMやマーケティングの経験はあっても、システム関連については疎く、断片しかわからない人が多い。
日本語圏のサラリーマンの場合、部門で輪切りにされる(最近はFP&Aの広がりで少しずつ変わってきた様子ではあるが)。
輪切りの実情が変わらず、ビジネスとデータの生々しい全体像の大枠にたどり着けないなら、デジタル化の効果はノロついてしまう。
現実解。
けっきょくはデータ分析について、財務会計と統計学という、基礎分野から攻められる人が強い。
統計学がわかれば、SCMとマーケティングを理解するのはそう大変ではない。
財務会計がわかれば、FP&Aとモデリングを理解するのはそう大変ではない。
愚直に、基礎を鍛えよう。
boxcox.net、遠藤武。