「投資対効果」と「楽しさ」、どちらを取るべきか。

データ分析ここだけ話。

「何か意思決定するにあたって、投資対効果がある物事だけを意識すればいいのでしょうか?それとも楽しい物事を大事にすべきなのでしょうか?データ分析を学んでいると、常に合理的な判断ばかりを考えてしまうのですが、それ以外に大切なことはないのでしょうか。」

 

これに答える上で、メタゲームという考え方がカギとなる。

シンプルに言うと、ゲームのルールを外側から有利に変えてしまうという意味であり、ゲームチェンジャーになるという意味だ。

メタゲームの元々の意味は「既に用意されたゲームルールの外側におけるゲーム」であり、カードゲームの駆け引き、将棋やチェスにおける対局相手の戦法の想定と対策などが挙げられる。

徹底して事実を客観的に眺めて分析し、その上でルールを逸脱しない範囲において、勝つために使える要素はなんでも使い倒すということだ。

組織で言えば、経理部門の人はプログラミングを覚える義務は一般にない。

だがExcelのVBAやpythonやコマンドプロンプト、あるいはRPAやAIツールの使い方を覚えて、事務処理を半減できたら、経理というゲームから見ればゲームチェンジであり、メタゲームで勝ったと言っていい。

昨今のデジタル化は、既存の仕事からすれば、このような勝ちパターン探しだと言い換えられる。

 

前置きが長くなったが、「投資対効果か、楽しさか、どっち?」という本題に入ろう。

成長しつづけていれば、投資対効果と楽しさは、自ずと合流するという事実が答えだ。

というのも、投資対効果とは単なるコスパのことではなく、メタゲームを通じた有利な攻略に持ち込むことであり、そこに必ず楽しさやワクワク感が伴うからである。

必ずしもデジタル化を含める必要はないが、既存のゲームのルールを疑い、投資対効果を得ることふまえ、物事がスカっと解決すれば楽しくなるのが道理だ。

私は統計学やモデリングをずっと扱ってきている立場上、常に合理的に投資対効果を算定してばかりと思われがちだが、

投資対効果は既に呼吸するように選んでおり、その中で「楽しそうだからこっち!」という別ルートを選んでいる。

このときの楽しさとは、投資対効果を当然に包み込むが、単なる投資対効果だけでは得られない異次元の成長であり、今までの自分のカラを破ることだ。

事実をありのまま直視して失敗から学び、自分が面白いと心底思える物事に集中すれば、独自性が生まれる。

 

現実解。

「投資対効果!投資対効果!」とお題目のように唱える時点で、その人は投資対効果を扱い切れていない。

そうではなく、投資対効果を普段着として用いることで、根本的に世界の見え方が変わり、楽しさから投資対効果を得られるのだ。

 

追記。

もう少しレベルを上げよう。

「投資対効果と意思決定を研究することが究極の楽しさだ!」ということもある。

実のところ、プログラミングや統計学や財務モデリングは、それ単独で有益なツールであり、何よりとても面白い。

そのぶん「世界がどのような仕組みだったら、あなたは楽しい?」という妄想を、立ち居振る舞いよく続け、世の中に実装を仕掛けていくことが大事になる。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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