意思決定巧者は、新規参入をハイスピードかつ柔軟に行う。
それと同じく、撤退もハイスピードかつ柔軟に行う。
この流れは、以下の2つに集約される。
「目新しく、まだ海の物とも山の物ともつかないので、先行者利益確保のために参入した」
「サービスのコモディティ化や、競争の激化により、収益性が見込めなくなって撤退した」
いずれも、投資案件として動いていると言っていい。
このサイクルは、今日び活躍している企業で頻繁に見かける。一つのモデルに執着することが、リターンのないリスクにしかならないためだ。
組織的に行うビジネスモデルについて、思わぬところから成長のチャンスが出てきたり、思っていた以上に短命化しているということである。
これは、個人で就職しようと、複数人で出資してスタートアップを作ろうと、大規模な企業を運営していようと、等しく求められている素養である。
今やっていることが、投資案件としてどのようなリターンを持ってくるのか。
この当たり前の発想は、組織立って群れてつい安心してしまうことで、ずっと見落とされて来た。
現実解。
キャッシュフローを生み出すことに集中する。
その見込みがないなら、ピボット策を用意する。
(本末転倒になっては勿体無いので、急場しのぎに補助金や公的支援を駆使したって構わない。それを政策当局に呼びかけても良い。)
極めてシンプルな投資の発想を、情熱を持ちながらも淡々と回す。
中身のない根性主義や前例主義に傾けば、やがて自滅する…という本末転倒な事実を予習しておく。
「個人も組織も、もっと柔軟に動いていい時代」でもあり、「柔軟に動けないなら次々に割を食う時代」とさえ言えるんだよね。
..遠藤武