実力が高い人は、そもそも人数が少ない。
人数が少ないとは、
少数派として満遍なく一定割合で存在しているのではなく、
時間や場所を選ぶ形で、
まばらに点在している(あるいは偏在している)ということだ。
何が言いたいのかというと、
実力のある人は特定の場所にだけ集中しており、
「いない場所には一切いない」という事実である。
顧客でも協力先でも、
就職・転職先や進学先でもいいが、
この点を目利きしておく必要がある。
(就職・転職先や進学先の場合は、仕組みや制度や、実績の有無も重要だ。)
これを見誤ってしまうと、
実力がつかないまま立ち止まってしまうことになる。
実力を鍛える基本は読書と行動だが、
それを当たり前の物事として踏まえて、
「実力のある人」と座組みを組まないことには、
何も始まらない。
実力とは、自分の専門分野で密度が高く、
かつ専門分野外にも広がりを出し続けることだ。
自分の場合はというと、
ファーストキャリアを創る際に、
実力のある大学の先輩にとてもお世話になり、
アナリストという希少ポジションを得ることができた。
移籍・転職や独立の際にも同様に、
関わる人を「広がりを持つ人」「密度の高い人」に限定していた。
お互いに敬意を持って接することができる人であり、
そして共に変化を楽しんでいければ、
お互いに広がりを出して密度を高くし、
広がりを出すことができる。
逆に、どのような素晴らしい立場であっても、
これが成立しない頑固者は、
「広がり」も「密度」も期待できないので、
即お断りである。
立ち居振る舞いや趣味から、
その人の知性や人間関係まで、
変数として読み解くことで、
実力の有無を判断できる。
「このコミュニティには実力のある人はいないな」とか、
「実力のあるフリで売っているだけだな」というようなケースも、
読み解くことができる。
こちらが実力をつける上では、
実力者は少数派として点在しているという事実をふまえ、
自分が実力をつけるために、
点在する側として、
密度が薄まる場所を避ける必要がある。
そういえば、もう10年以上は満員電車に乗っていないが、
自分の勉強時間を確保するために、
何が何でも満員電車を毛嫌いして、
早起きやお金を払ってでも、
密度が低い空間を選んでいた。
意図的にそうすることで得た実力は計り知れない。
一発で点在する少数派になれたと断言できるし、
本は読み放題、勉強し放題、
本音で仕事をし放題、
眠くなったら寝放題、
アウトプットし放題、
という空間を、
知らず知らずのうちに作っていたことになる。
更にそういえば、独立をした理由は、
「この時点で自分より上の職位や年齢のサラリーマンには、もう自分以上の実力者が存在しないので、サラリーマンを続けるメリットがない。更に言えば独立したときどう不利に見積もっても、経験と実績とナレッジで言えば市場で負けようがない」
と即答できるまで密度が高まったからだ。
現実解。
淡々と頭脳の密度を高めつつ、
周囲の人間の密度が低いところに身を置けば、
自ずと独自性が磨かれる。
自分に有利な環境づくりとは、
密度の作り方と使い方なんだよね。
追記。
逆に言うと、
いくらお金が手元にあっても、
夢と頭脳がないままなら、
群れて薄まって、ご臨終。
boxcox.net、遠藤武。