ゼロイチで事業を作るときは、
できるだけ「勝手に伝わる」ようにすればいい。
戦略はそれだけでいい。
わかりやすく、かつ、共感しやすいものが売れるのである。
資金調達もマーケティングも、
ただの手段でしかない。
実際に自分の経験として、
「船舶投資のデューデリジェンス事業」を20代半ばすぎの時に作って、
当時の所属先企業をリーマンショックのダメージからV字回復させた。
この成功は、
同業他社を調べ上げて、
「真似しづらい/真似したくない/真似したくてもできない」
という実力の要素を追加して品質を向上し、
そのための技術開発(統計モデリングと財務モデリング)を行い、
その上でユーザに寄り添ったからに他ならない。
当時勤めていた企業は、
業界紙で評判と対応力は折り紙付きだったので、
デューデリジェンス業務で実力の要素を徹底して追加し、
あれよあれよという間に勝手に成約できた
レポートの中身についても、
・データセットを取り出しやすくしておく
・統計モデルを作りやすくしておく
・財務モデルを作りやすくしておく
・リサーチをしやすくしておく
という仕組みを用意しておき、
1本あたり30〜60分くらいで作れるようにしていた。
1本あたりの金額は20〜30万円で、
1本あたり4ページ程度であり、
1人で対応して飛ぶように売れた経緯がある。
この時間づくり・仕組みづくりができていたおかげで、
熱心に依頼してくれた大手金融機関の顧客に、
本音に即して柔軟に対応できたのである。
現実解。
ゼロイチ事業の場合、
本音が、戦略の全てということだ。
一般的な戦略要素(ヒト・モノ・お金・情報)は、
既に戦術落ちしてコモディティになっているゆえに、
この事実を知っておくだけで、
ゼロイチを有利に高速に動かせる。
追記。
資金調達が手段だと挙げたが、
資金調達のコモディティ化は、
SaaSなどのようにスケールさせる上で資金調達が必要なビジネスモデルが、
コモディティの割に扱いが面倒だから、
作業代行としての資金調達が必要になったということである。
追記の追記。
ビジネスモデルは、
市場と素直に向き合い、
極力シンプルにしておくだけ事足りる。
boxcox.net、遠藤武。