サラリーマンの延長線上で卒業して独立している人は、
特定の業界に絞ると結構いる。
私がどっぷり関わってきた中で珍しく思ったものは、
海運業界で、外航輸送向け船舶の仲介を行うケースである。
専門用語で言うとシップブローカーと呼ばれる立ち位置である。
要は専門性と人的ネットワークが必要なので、
総合的な個人技が必要になってくる業界だ。
ほかに私が見ている限りでは、
独立してもサラリーマン視点のまま人材派遣化・下請け化するコンサル業界やIT業界や、
外資・日系問わず営業主導のビジネスモデルゆえに実は独立しづらい金融業界とは、
根本的に異なる印象を抱いた。
この背景は、
機能としてそもそも「船が人のかわりに働く」という要素と、
情緒としてそもそも「船が好き」で関わっている要素があり、
レバレッジの効く資本主義の側で動いているためだ。
現実解。
「ビジネスがスケールしません…」
「停滞しています…」
そう悩む人は、
機能だけを提供する下請け代行状態だったり、
情緒だけを提供する実力不足状態だったりと、
マーケティング的に欠けている状態がないかどうか、
いちど見直してはどうだろうか。
トランスフォーメーションという言葉が取り沙汰されて久しいが、
この要素を埋めることがトランスフォーメーションの本質である。
追記。
サラリーマンの延長のまま、
有利な要素を満たした業界を知ってしまったゆえに、
それ以外の業界でこれらを放置したままウンウン唸っているケースを知ると、
「他の業界から学ぶほうが早い」
というありきたりな言葉の重みを実感する。
これが愚直にできていると、
たったそれだけで注目を集めることになり、
1時間あたりのフィーが10倍以上に跳ね上がる。
「時間売り」になってしまっているなら、
売り先を変えてお客様の成功を定義しよう。
boxcox.net、遠藤武。