「〇〇事業について格付けプラットフォーム化してみたら面白そう」
「実績、他社からの評価、メディア掲載、SNS上のいいね数、専門性、生の情報…などを載せてはどうか」
そんな声を見かける。
これは実のところ、その他大勢の発想か、
あるいは退屈なSNSユーザーの発想だ。
すべての情報には、
発し手の意図が明確にある。
例えば、
ウェブ上の検索アルゴリズムのスキを突いた、
自称「オウンドメディア」とは、
情報を提供するフリをして、
見込み客を集める装置である。
これはマーケティングに限った話ではない。
意図がなければ詩歌も小説も成り立つことはない。
問題は、その意図が有用か否かという点にある。
率直に言うと、
データ分析領域のオウンドメディアのせいで、
「本当に分析に役立つ情報が手に入らない…」
と嘆く声がある。
例えば、大手出版社の編集者さんや、
関連領域に専門性を持つ人なら、
誰もがそう漏らす(私もその一人だ)。
対応すべく文献を20冊や30冊単位で読み込むと、
引用文献つきの書籍で、
「自社サービスに誘導する情報ばかりでデータ分析では役に立たない」
と語られてしまっている始末だ。
デジタルディバイド(ネットなどの情報にアクセスできない社会分断)がかつて取り沙汰されたが、
今は「ナレッジディバイド」や「アカデミックディバイド」とでも言うべき状況だ。
現実解。
大前提として、
仕事やアプリや動画は、
書籍の専門性や柔軟性に勝てない。
この事実を最優先しよう。
それだけで、ビジネスの外側にある、
先行研究の検討や分析的な読み解きというアカデミックスキルは、
実はビジネスにも試験対策にも活用できると気付ける。
ヘナチョコなプラットフォームやメディアにもあっさり勝てる。
本来の格付けは、
こうやってメタ的に読み解くとか、
俯瞰的に解釈することありきだ。
boxcox.net、遠藤武。