「あの人は厳しいことを言うにもかかわらず、憎めないから好き」
「この人はいちいち厳しいから、何だかイヤ」
この差は、ストレートに言うと立ち居振る舞いの差だ。
立ち居振る舞いとは、ちょっとした言動の気遣いである。
仮にあなたが本気で何かに取り組むとして、厳しさは大事だが、
額面通りに厳しいというのは当たり前であり、それだけでは退屈で誰も着いてこない。
要は気遣いが足りず、当たり前の場面で当たり前のようにギスギスしてしまうのだ。
この逆で、立ち居振る舞いにチャーミングがあるほうが、
当たり前を崩せて、結果的にうまくいくことが多い。
事実を言ってしまうと、相手の立ち居振る舞いの端々で決断を下すことなど、実際のビジネスや人付き合いでよくある話だ。
「頼もうと思っていた仕事を、あの人に決めよう」
という具合に、思い出すことができるのである。
このときの思い出すとは、
単に記憶をよみがえらせることにとどまらず、
相手に思いを送り出すことでもある。
絶対的でごまかしようのない実力がものを言うのは当たり前であり、
気遣いばかりで実力をごまかしていると、底の浅さを見透かされる。
とはいえ、実力のすきまにちょっとしたチャーミングさを見ると、
人はホッとして、ついつい思いを届けたくなるのだ。
現実解。
実力ばかりでどうしてもギスギスする人は、立ち居振る舞いで見せ方からカバーするとよい。
実力が足りずどうしようもない人は、立ち居振る舞いで見せ方だけでもカバーするとよい。
その差が大きな一歩の差になるから。
boxcox.net、遠藤武。