ビジネスセンスには、そもそも模範解答がある。

daily11 スモール分析。

「まったくビジネスセンスがありません……自分の事業が成長せず困っています。」

 

そのような悩みがよく寄せられますが、ゼロイチにせよ、規模拡大にせよ、

ビジネスの成長には全て「模範解答」が存在していることを把握してください。

 

ビジネスセンスというのは、

・自分が熱中できることに特化し、人に喜ばれながら楽勝する

・信頼できる優秀な他人と、敬意を軸に理屈抜きで依怙贔屓しあう

ことで成り立ちます。例外なく、マーケティングも提携も、喜ばれる楽勝と依怙贔屓が根底にあるのです。

 

そう説明すると、

「ゼロイチ段階ではニワトリとタマゴじゃないか!」

と言い出す人がいるのですが、それは正論です。

正論を言いたいのなら、税金から報酬の出る、警察官や裁判官になればよいのです。

組織の一員として、常識的な役割を負えばいいのです。

そうではなく、ビジネスセンスを発揮したいのなら、

常識的な正論ではなく、面白い極論でスキマを突く必要があるのです。

(正論だけの人は、下請けとして合理的に動いてもらえればよく、依怙贔屓されません。)

正論の退屈さが重要なのではなく、その逆が重要なのです。

 

正論の「口先と理屈」をひっくりかえすと、

「妄想と行動」がベースになります。

「楽勝して上に逃げることについて、頭に汗をかいて、妄想と行動を繰り返す」ことになるのです。

「ごひいきにする」「お得意様」という言葉の通りですが、

あけすけに言うと、楽勝で依怙贔屓を得ることが全てなのです。

 

より細かく見ましょう。

ビジネスが成長できない悩みでまず疑うべきは、

①「自分が熱中できているか?」

②「人に喜ばれているか?」

③「楽勝できているか?」

④「依怙贔屓はそこにあるか?」

という項目です。

「ビジネスセンスがない」と自称する人は、

①が出来ていても、②は半々くらい、

③はからきしダメ、④は想像すらつかない状態、

というところまでがテンプレです。

特に、ついうっかり正論を言ってしまいがちな下請け制作代行にありがちです。

正論を言う以上の価値を求められていないのですから、

退屈なままでいいのです。

そうではなく、自分がボケる側に周り、

①と②は確実にしつつ、

③と④を埋めていくことで、

自分が熱中できることに特化して楽勝を狙えば、

そもそもつまらなくなることはありません。

むしろ、自分の裁量で責任を取ることが楽しくなります。

自分で作ったサービスや組織が売れて成長していくというのは、

私も複数経験がありますが、しんどさの果てに何事にも代え難い面白さがあるのは、その通りです。

さらに、そこから信頼できる優秀な他人と関わり、

理屈抜きで依怙贔屓をし合うことで、

お客様から対価を通じた粗利を頂戴したり、

お客様を紹介いただくという機会が得られます。

ゼロイチの矛盾はそうやって「自分にしか出せない個人的な唯一無二の価値」からクリアするのです。

それを共感してもらい、横展開したほうが、圧倒的に楽勝しやすくなります。

 

現実解。

上に書いてあることは、全てビジネスセンスの模範解答です。

うまくいっている人は、異口同音に上の内容を語るでしょう。

正論や常識に対する矛盾が多々あります。

そもそも矛盾しているのは、

「矛盾がない」=「つまらない」=「存在しないのと同じ」

となってしまうためです。

かといって、わざわざ嫌いなことをやる必要はありません。

好きなことを軸に、既存のスキマを突いて、

「あるある!」と共感を得られれば、事足ります。

ビジネスセンスとは基礎知識の差であり、

妄想や行動や時間の使い方の差に過ぎません。

極端に言えば、

99%は引用や模倣や他人のチカラから始まり、

それらも状況に応じて全とっかえして、

その先で1%だけ自分の本音が入り、

それだけでビジネスが動き出すことなど、よくあります。

ここだけの話、

洞察力も実力も基礎もない人ほど、

自力で動こうとしてしまいがちであり、

目先の凡人ばかりを頼りにして嫌な思いをしがちです。

関わって面白くない人や物事と関わるのをやめることも、

模範解答のうちだと覚えておくと、思いのほか幸せになれるはずです。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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