日系企業から官公庁や外資企業、
数人規模の企業から十万人規模の企業、
首都圏から地方の組織まで数多く見てきたが、
サラリーマンで出世したり、独立して生き残る人は、
知的体力のある人というのが結論である。
仮に転職経験者で「この人は明らかにスキルも経験値も低いのに職位が高い!」という場合、
そのような過大評価をされている人は、2〜3年で落ちぶれる。
というのも、そのような組織は転職者を扱うことが苦手であり、組織を上手く回せていないためだ。
勘違いしないでほしいが、これが新卒で入った組織だと、その組織に最適化するため当てはまらない。
そうではなく、どうしても中途採用で寄せ集めをしなければならない組織の場合、人の束ね方に明らかに差が出るのだ。
特に急成長中の企業で、もともと待遇も人材の質も低かった場合は、
知的体力はないが、扱いやすいというだけで重用や昇進につながることが多々ある。
そのような場合、成長軌道が一段落してしまったり、売却で株主がファンドに変わったりすると、
さして知的体力がないまま昇進した人は、別組織からやってきた知的体力のある人に取って変わる。
最悪の場合、社長を任されたはいいが、
知的体力不足により、業績悪化のストレスで命を落とすこともある。
笑いごとではなく、組織のフェーズの変化についていけない人は現に存在しているのであり、
知的体力がないわりに従順なだけの人ほど、
組織にしがみつくケースが後を絶たないのだ。
現実解。
給料が上がったり、報酬が高額というのは、知的体力にお金が支払われていると覚えておこう。
これは知的体力のない人からしたら辛い事実かもしれないが、
組織内や転職や独立で下剋上が起こるのは、知的体力を発揮できる空間に移ったからである。
boxcox.net、遠藤武。