実力とは、解像度を上げ下げして、タテにもヨコにも展開できる素直さのこと。

daily11 スモール分析。

「実力という言葉がデイリーレポートによく出ますが、シンプルに言うとどのような概念なのですか?分野や業界によって異なる場合もあると思うのですが、遠藤さんの文脈でどう共通項を捉えているのでしょうか?」

 

折に触れてこのような質問を受けるのですが、

実力とは「解像度を粗くも細かくも捉えられて、タテに掘り下げることも、ヨコにシフトすることもできる素直さ」と捉えています。

これは特別なことではなく、統計学を使いこなしてデータを分析し、妄想と行動を繰り返していると、自ずと備わる思考です。

何も統計学のようなニッチな分野だけでなく、他にもこのような実力を得られるケースは多数あります。

思いつくまま挙げると、コンサル出身者が言うような「抽象と具体」も、ビジネス書や自己啓発書に書いてある内容も、あるいは恋愛にも、異口同音の考えがあると思います。

探せば共通項が無数にあるはずです。

 

この真逆を取って、実力がない人の特徴を挙げると、「実力がない人には素直さがない」の一言で表現できます。

個別的な見え方として、

・特定の業界や個人的な経験にばかり依存している
・過去の体験に囚われて変わっていこうとしない
・変に粗かったり細かすぎたりして価値が定まらない
・タテに掘り下げる必要のないことまで頑固に突っ込みすぎている
・ヨコ展開なのか転業なのかわからないほど軸がぶれている

という、偏ったマダラ模様が多々出てくるでしょう。

これを見て「ぎくり!」とした人は、素直であり、救いがあります。

わざわざ「個別的な見え方」と明記しているのは、ちゃんと素直に本音を出せば、見え方が変わり「助けよう!」というポイントに受け取ってもらえるためです。

もっと言えば、弱点を吐露する勇気がチャームポイントに化けて、すっとぼけることで憎めないキャラクターとして、あっさり問題解決してしまうことも多々あります。

実力がずっとないままの人や、嫌われてしまう人は、素直ではないゆえにチャームポイントがなく、孤立無縁のまま、どんどん下に逃げていくまでがテンプレートです。

論理的思考が重要と言われて久しいですが、単に理屈っぽく業界の当たり前だけを消化する人は、本当に実力のある人からすれば退屈な人です。

実力で人を喜ばせるのであれば、素直に相手の本音を捕まえ、膝を突き合わせていく必要があります。

同じ映画やゲームの画面を見たり、読んだ本の内容を思い返しながら、一緒に楽しく過ごすことと同じです。

あるいは、大好きな人とドキドキしながら夜景を見て過ごすことと同じです。

その場に応じた解像度やタテヨコの展開しだいで、良い関係であるか、恋愛なら脈があるかが決まります。

ちゃんと噛み合っていればそれでいいのですが、学問に興味のない人に古代ギリシアの哲学者や四書五経の話題を始めたり、映画に興味のない人に恋愛映画の話を振っても、脈絡はありませんね。

要は、ちゃんと相手と目線を合わせられるかが実力のカギであり、その肉付けや材料として、勉強や学問やエンタメを素直に楽しみ、解像度やタテヨコ移動も楽しむのです。

これをわかっているか否かで、仕事も人間関係も(果ては恋愛も)決まるゆえに、異分野で実力がある人は通じ合い、実力がない人とは根本的に噛み合わないことになるのです。

 

現実解。

実力とは、基礎知識が過不足ない形で備わっており、事実をありのまま見通せる状態(すなわち素直であること)だと言えます。

いろいろな解釈が多数ありますが、根本は素直に楽しさを広げることが実力です。

理屈っぽいだけの人や常識だけの人は、極めて高確率で退屈な人か、行動が遅い・鈍い人と決まっており、素直ではありません。

かといって常識を疑ってばかりの人や、自意識だけ高い人は、素直さがないとかウラがあることになり、楽しくはありません。

とすれば解像度の上げ下げもタテヨコ移動も、実力であり、ひとつの芸だと思ってみると素直に楽しくなるのではないでしょうか。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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