座組み・提携をうまく行かせるポイントは、「上下関係のある1対1」である。

daily11 スモール分析。

規模の大小を問わず、座組みや提携は、

「上下関係のある1対1」から始めることが鉄則である。

そうでないものは、例外なく薄まってしまい、

どこかで空中分解すると覚えておこう。

 

というのも、人が不用意に対等に集まると、

同調圧力や建前が優先されてしまう。

人間関係がこじれるのも、

組織内政治が生じてしまうのも、

馴れ合いに終始してしまうことになり、

鋭く濃厚な本音の価値観など出てこないためだ。

そもそもだが、

上下関係がないとか、3人以上で何かを始める時点で、

「価値を作るのではなく、群れて馴れ合うことが目的にすり替わる」

ことが避けられないのだ。

これはちょうど、憧れの人と1対1で親密にデートしたいという本音を押し殺して、

3人以上の薄い友達づきあいを隠れ蓑にして関係を取ろうとしまうのと同じである。

座組みや提携はデートとは異なるため、ついうっかり誤認してしまうが、

本人たちに群れる視点がなくても、馴れ合いは避けられない。

 

原理原則から見てみよう。

1人で始めるなら、それはその1人の責任や熱意で全て成り立つ。

その人が1人で、やるべきことを天命として果たせばいいためだ。

「上下関係のある1対1」で始めるなら、それはその1人の責任や熱意で全て成り立つ。

それぞれが1対1で、やるべきことを天命として果たせばいいためだ。

このとき、依存心は紛れ込みようがなくなる。

天命があるからこそ、本音に敬意が乗っかり、熱意と得意技でカバーしあえるのだ。

 

恋愛の場合、わざわざ「天命」や「得意技」という考え方や単語を使うことはオーバーだが、

恋愛に本音と敬意と熱意が薄い状態では、「そもそも私のどこが好きなの?」と返されて終わりだ。

座組みや提携の場合、なおさら恋愛より濃い「天命」や「得意技」が必要だが、

座組みに本音と敬意と熱意が薄い状態では、「そもそも何でお前なんか助けないといけないの?」と返されて終わりだ。

笑いごとではなく、このような状態は、不用意にしていると何処でも起こる。

要はヘナチョコになるのだ。

素直な目線で見て、ヘナチョコな相手に憧れたり、

本気の恋愛関係にありたいと思うだろうか。

ヘナチョコだけならまだわかりやすいが、

変に関係が複雑になって依存心が強まり、

個々人が朽ち果ててしまっては、元も子もないのではないだろうか。

ビジネスの関係では、実力不足のヘナチョコに、

天命など何一つないのである。

このとき、依存心だけ立派に強くなり、自尊心が弱くなる。

そのような状態に、もとから熱意と得意技のある人が、

面白そうだと思って寄ってくるだろうか。

超例外的に、3人以上では「薄まって100%失敗する」と分かっていて、

自分から「失敗覚悟でこの人に何が何でも学ばせる」という腹決めで、

人生で一回こっきりで本気で関わるのなら、

それもまた一つの発想ではある。

ただし、そんな発想は超例外的な話でしかない。

少なくとも、ちゃんと天命を見出せる人は、

1人で始めるか、1対1で始めると、

相場は決まっているのだ。

 

現実解。

「どうも提携や座組みがうまくいかない…」

そう思うなら、思い切って堂々と孤独を取ろう。

孤独を大事にするからこそ、相手の価値観や時間を大事できる。

相手を大事にするということは、

相手を高みに上げていくことであり、

孤高の存在をプラスに認めることにほかならないのだから。

 

追記。

特に、自分が認められたいと思う寂しがり屋ほど、

ちゃんと腹決めして、

直感とは真逆にある、孤独をとるといい。

寂しがり屋が、群れずに知恵と勇気を振り絞り、孤独を取る姿は、

ついつい応援したくなるほど、すごくかっこいいよ。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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