「うちの会社では、業界の通例どおりの支払い条件なんですよね」
「うちの会社では、業界の常識どおりの顧客対応なんですよね」
このようなセリフを使っていたり、このような態度を知らず知らずに取っている場合は、要注意だ。
業界の通例ごと沈むか、業界の常識ごと嫌われるか、通例も常識も一切関係ない外部のヨソ者にコテンパンされるまでがオチである。
だいいち、業界の通例や常識というのは、その組織の規模に応じて異なる。
規模が1店舗と小さいのに、店舗数2千店超えのチェーン飲食店と同じ価格や原価率や内装や支払条件というのは、根本的に全て間違っている。
規模が1人と小さいのに、年売上高2千億円の監査法人や系列コンサル会社と同じ建て付けや契約内容というのは、根本的に全て間違っている。
素直な目線で見ればわかることだが、これを誤解したまま動くのはもったいない。
もっと言えば、組織の規模すら関係なく、常識や通例に囚われずに独自の価値を創っていく人や組織が愛される。
これに気づけないままというのは、もったいないや愛されないという点を通り越し、存在を続けていくこと自体が許されない。
業界の通例・常識通りに動くというのは、効率や生産性という観点からも、本音という観点からも、時間と命の無駄遣いだ。
明らかに意図して我田引水しているのか、単に無批判なだけかは問わないが、
いったん通例を守る必要があるのは、標準医療や法律やテクノロジーといった、基礎知識くらいである。
言わずもがなその基礎知識でさえ、日進月歩で内容が書き変わり、常識や通例すらアップデートされているのだが。
独立したいという人が増えている中、シンプルな勝ち筋を囁いてしまおう。
既存の常識や通例について「ダサい・ドン臭い・大嫌い」と感じた素直な本音から、逃げないだけでいい。
とてもシンプルだが、斜陽産業で伸びているケースも、独立して伸びているケースも、規模が大きい組織のケースも、
元気のいい企業ほど常識や通例など、害毒として排除しているくらいである。
業界の常識は、独立したら根拠など全くない。
単に現状維持のために、なんとなく何も考えず、模範解答を書き写しているだけのケースがほとんどだ。
現実解。
どうせ価値を出すなら、業界の通例など無視していい。
行動から見せ方まで、何から何まで変えたほうが、あっさり勝ててしまうから。
追記。
それこそ、支払い条件が早い組織は、活気が出て成長している。
それだけ経営トップも幹部もスタッフも、顧客体験から品質からお金周りまで、工夫しているものね。
boxcox.net、遠藤武。