超具体的な行動でビジネスが進むのは事実だが、ここには壁がある。
売上規模が大きくなると、自分だけで人を見切れない。
にもかかわらず、お客様の成功・IT・計数管理…など抽象度の高い話題が入ってくる。
これが「経営の悩み」である。
1人でやっていたときや、2〜3人の仲間でやっていたとき、
あるいは10人に満たないくらいだと、悩んでいても超具体的な行動でカバーできる。
人が1人で見ることのできる人数は、概ね5〜8人とされており、経験的にもこの規模は付合する。
いっぽう、超具体的な行動が効かなくなるラインが、10人を超えている年売上高2〜3億円なのである(ビジネスモデルによっては年売上高10億円くらいで突然表出することもある)。
これはなぜかというと、少人数の超具体的な行動だと限界が出て、今までフィットしていた行動や発想が、規模の拡大で「知識不足」や「不正解」に追い込まれてしまうためだ。
「合成の誤謬」という言葉があるが、一定規模未満の1つ1つでは正解だったはずが、規模が大きくなって足し算したら全くの不正解…ということである。
ありがちな例を挙げよう。
1人や2〜3人でやっていたときは「身内ベンチャーノリ」の仲間意識だけで楽しく依怙贔屓すれば済んでいた。
しかし規模が10人を超え、面接をして雇用していくと、仲間意識では済まなくなる。
「入っては辞め、入っては辞め…」を繰り返したり、誰かを雇おうと思ったら「ジャージにサンダル履き」の猛者のような転職希望者が多発する。
そのせいで組織内の空気が悪くなる、パフォーマンス不足が祟って、挙げ句の果てに本業が空中分解してしまうケースもある。
「超具体的な行動」オンリーで進んでしまうと、まず大切にすべき価値・価値観がうまく伝わらず、お客様の成功や従業員の方向がバラバラになってしまうのだ。
仮にそれがなんとかなっても、組織を高度化しようとしたとき、アナロクなオペレーションや、デジタルなIT知識が根本的に足りなくなる。
そうなると、すべて人力やExcelで管理するような、とても辛い絶対ダメなパターン(アンチパターン)を重ねてしまう。
これをクリアできないとき、組織は空中分解する。
この空中分解ラインが、概ね年売上高2〜3億円くらいから始まると言うことだ(5〜10億円まで進んだはいいが、キーパーソンが離れてしまい、突然空中分解するというケースもある)。
現実解。
これに対応するには、知恵を仕入れてカタチにするしかない
悩みの質が根本的に変わるのが、年売上高2〜3億円規模である。
知恵とは「仕組み」であるのだから、先んじて意識しておいて差し支えない。
もちろん、プロに依頼しても構わない。
ボックスコックスネット、遠藤武。