業績が成長せず、売上の質や粗利も変わらず、小粒業績で足踏みするケースが多々ある(場合によっては10年以上も続くことがある)。
その打破にはコツがあり、
・得意技で強烈なインパクトを出す
・「多数派の正論」を全て捨てる
の2つを徹底することにある。
業績が成長しないというのは、単に得意技が発揮できていない(あるいは得意技がない)だけである。
まず、ちゃんと得意技で実績を出して勝つことであり、そこから強烈なインパクトを与えることが全てだ。
私のようなアナリスト経験者からすれば、1年でレポートを100本や300本書くことで実績を出すのは、普通のことだ。
人材分野が得意であるという人からすれば、10年で数千人や1万人の転職者を支援して実績を出すのは、普通のことだ。
これはその分野のプロからすれば普通のことだが、外野からすれば戦意喪失するポイントである。
外野が戦意喪失する実力で、お客様の成功を継続的に叩き出すことでしか、得意技によるインパクトは作れない。
それ以外の行動やロジックは、全てムダであると素直に認める以外にない。
では、このようなプロに行き着くにはどうすればいいか。
理路整然と間違える「多数派の正論」を目の前からすべて消していくことだ。
率直に申し上げると、多数派とは常に勉強不足であり、そのくせ行動も甘いが、正論だけは一人前である。
一番残念なのは、せっかくプロとしての実力を持っているのに、周囲にある「多数派の正論」に引っ張られて行動が甘くなることである。
せっかく実力があっても、そろいもそろって「大手企業のサラリーマンと同じ多数派の正論落ち」してしまうケースがある。
このとき、せっかく眠っている得意技や面白さが消えてしまう。
得意技のインパクトとは「あの人はすごい!ぜひ助けたい!」とメリットを感じてもらえるように持ち込むことにある。
究極的に言えば、得意技や勝ちパターンだけ残して収益が出ればよく、それ以外は全て捨ててしまっていいのだ。
例えば営業が苦手なら、自分の得意技を徹底的に極め、営業の協力先を無償で手に入れたっていいのである。
このような極端な発想は「多数派の正論」からは出てこないが、
実力が一定以上の少数派はほぼ例外なく経験している「依怙贔屓」である。
これは直感にも正論にも完全に反するが、うまく行っているケースや、コモディティ化を回避しているケースとは、得意技でリピートと紹介が出る「依怙贔屓」が基本なのである。
負け方にはパターンがあって、勝ち方にはパターンがないとよく言われるが、
正確には「得意技の数だけ勝ち方があり、得意技によってのみ依怙贔屓される」というまでが一連の流れだ。
現実解。
既存の正論をふりかざすだけで、業績が出ない人があまりに多いが、
正論は誰が言ってももっともらしく聞こえるから「下に逃げる方法」として使われており、最悪の決断である。
これだと理屈や常識が先に来てしまい、得意技インパクトがなく依怙贔屓されず、コモディティとして埋もれる。
そもそもだが、正論ばかりでは独立や起業するメリットなんか全然ないため「既存の企業にまかせてもうやめれば?」になってしまう。
ついついその真逆を突くことでしか、成長できないのである。
独立してやることは、万年足踏みの分際でクチうるさい理屈をこねくり回すことではない。
常識など基礎知識として回収し、言葉少なく、群れずに淡々と勝ちをおさめることなのだから。
追記。
このとき、周りにいる顔ぶれを一新させることも、当然必要になる。
ボックスコックスネット、遠藤武。