キャリアとアカデミックな文脈について聞かれることが多いため、取りまとめておこう。
トップの上澄み:日本語英語問わずアカデミックスキルが軸にあり、大学レベルの統計学や数学を用いて事業を回す立場。事業作りも研究開発も背景がある。理系と文系の垣根がない、独自性の作り手。
トップ層その1:戦略コンサル・外銀・PEファンド・アナリストから、官公庁・研究職・医師・弁護士・公認会計士、外資ITなど、一定の専門性がある立場。受験数学で合格を経ている立場が多数派になり、理系文系の垣根がない無差別級。ハードルが高い。大学のアカデミックスキルが生きる。
トップ層その2:外資総合コンサルや日系最大手の研究開発や総合職のうち上位層。みんなが思うメジャーな有名企業の層。理系文系の垣根があるが、それぞれ強い。ただし文系は営業の色が濃くなる。数学を入試科目から外した層がいきなり増える。かといって受験数学を経ていても大学数学に触れていない場合は不利を強いられる時代になった。ハードルが高いが、一定レベルを超えていればあっさり踏み込める。外資に限り、アカデミックスキルを活かせる下限。
準トップ層:外資や日系大手の就職で、多数派が抱くイメージ通りのレベル。文系は営業職が9割。理系の場合は研究開発ではない分野や、ちゃんと数学や情報系の背景があるSE・PGがここに該当する。最大手企業に入り込めるブティックコンサルファームもこれ。文系で数学受験を経ていたり、あるいは大志がある場合、ここに属すと企業名の有名さに比べたグレードの低さに違和感を抱くかもしれない。「大学受験で数学の背景が全くない場合」はここが上限。地方出身者が地元大手企業に就職するケースはこのレベルだが、当該の地元では「トップ層その1」扱いを受ける。
マス層:いわゆる営業職の多数派。規模問わずフルコミ・準フルコミ営業はここに該当する。あるいは学歴の関係ないSEもここ。ほか受験で優秀だったが、経歴が教育産業だけ(=塾講師・予備校講師・それらに類する動画配信)のケースも含まれる。独立して右も左もわからず交流会に出ると、このレベルの自営業や経営者を多数見かけてしまう。誰でも名乗れる「コンサル」もここに該当する。ストレートに言えば、キャリアも学歴もあまり関係なくなる。
現実解。
大学に入ってから気づく人が多い(頑固に一生気付けないままの人もいる)が、キャリアとアカデミックな発想(あるいは学歴)はこのような繋がりが明確にある。
後付けでも遅くないから、キャリアを考える上で今この場で気づいておこう。
人文科学・自然科学(STEM)・社会科学という学問全方位の知的好奇心は、身を助ける。
ボックスコックスネット、遠藤武。