「そんなもの役に立たないから不要だ。」
これをいちいち言い出せる人には、役に立つ物事を判断することなど、絶対に出来ないと断言していい。
系統的な分野であろうと、断片的な知識であろうと、それを掘り下げていくことで、無数に論点を広げて役立たせられるから。
現実解。
例えば、テレビ番組を漫然と眺めてしまうことは、一般には役に立たないとされる。
これには異論の余地がない。
しかし、テレビ番組というコンテンツに関わる生態系を含めて興味を広げていくと、話は全く別である。
台本と放送作家、文芸、カメラ、舞台、衣装、メイク、大道具、芸能事務所、広告主企業、広告代理店……と、論点は数え切れないほど広がっていく。
このような広げ方を続け、今の自分にとって「これは知らなかった!役立つ!」という物事が手繰り寄せられたなら、その時点で役に立ってしまう。
これはゲームだろうと、漫画やアニメだろうと、小説や詩歌だろうと、音楽や美術だろうと、流行だろうと、学問だろうと、ビジネスだろうと同じだ。
具体的に切り分けていけば、同様の仕組みで、物事を広げていくことがいくらでもできる。
「そんなもの役に立たないから不要だ。」
改めてそのように言われたら、まず素直に3秒だけイラッとしよう。
然る後、そう言い出した人も含めて『われ以外みなわが師』と心の中で反復しよう。
笑顔でそのように上書きし、興味を広げることを純粋に楽しみ、自分のやるべきことに没頭すればいい。
そう言われた出来事自体が、実は最高のチャンスの入り口だと気付けたら、更に文字通り役に立つ。
..遠藤武