私はこまめにハガキを書く。
これは「心からの時間圧縮」に他ならない。
不用意にSNSやメールや電話だけ使うのは、寿命の無駄遣い。
現実解。
SNSやメールや電話が悪いとは言わないけれど、
そのせいで不用意に気を揉んだり嫌な思いをするのは、
率直に言って、自分で自分の人生を生きていないことになる。
いつもノロノロと遅れる人や、
回答をゴリゴリと急かす人に、
時間を取られて気を揉んでいるという状況は、
誰からも共感を得られようがないし、
心まで取られていると、素直に認めよう。
本当に急ぐような話というのは、
究極的には、人命や災害に関わるような、
非常事態の話しかない。
仕事でノロノロするような人は、
その時点でその仕事に興味がないのである。
回答をゴリゴリと迫るような人は、
その時点で自分にしか興味がないのである。
そんな余裕のない人と、
SNSやメールや電話でやりとりしていても、
話は何も進まないし、まるで成長しない。
ハガキであれば、限られたスペースに、
圧縮した言葉で、掛け値なしの想いを書けばいい。
「ありがとう」や「お元気ですか」を伝えてお互い気配りすること。
ビジネスとは、実際にはそんなシンプルなやり取りと共感を通じて、
具体的な商品やサービスを創り付けていくことでしかない。
(一方的な売り込みは、この重要な事実を忘れているから嫌われる。)
シンプルなハガキを受け取った相手は、
「なんと!わざわざありがとう!!」
という反応をほぼ確実に示す。
私もハガキを受け取ってそのように実感する。
社会的地位が上がれば上がるほど、
そのように共感する人が増えていく。
ビジネスで、シンプルかつ素直に、
気配りに徹底して繊細さを発揮できる人は、
売り込みなんてせずに、仕事の依頼が増えていく。
一見、とても逆説的だけれども、非常に素直な話だ。
ハガキは、その素直な事実を載せられるメディアだ。
そんなシンプルで細やかな人こそ、自ずと共感を生み、
多くの人が仕事を依頼したくなってしまうのである。
広告の方法、ライティングの方法など、
ウェブの発達に即して様々な技法が発表されている。
ハガキで想いを圧縮し、
相手に時間や心を浪費させないのは、
枯れた技術でありながらも新鮮に映る。
この本質は、表面的な技法だけでは出せない、
超アナログな「共感」なんだよね。
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遠藤武