素直に従うことが師事である。
特に20代や30代のときは、師匠に素直に従い、
仕事のスピードと精度を上げることが必要だ。
仕事のスピードと精度を上げていくと、自ずと頭が良くなる。
これは仕事がそもそも「知的生産」だからである。
人間がやることは全て、
「知識や事実を集め、言語化し、行動に移す」という、
一通りのサイクルを全て通る。
師事するとは、
この一通りのサイクルを流れを直接教わったり、
本から徹底して真似したりすることに他ならない。
この過程で、
頭の使い方が自ずと育ち、
あたりまえに出来ることが増え、
思考と行動の可動域が広がるのだ。
これはマクドナルドや警備のアルバイトも、
事務職や営業職も、専門職・研究職も、
サラリーマンや経営者の区別なく、全て共通している。
何もずっとアルバイトをやる必要はない。
師事の終わりは「もうこれ以上学ぶことはない」と思ったときだ。
それこそ、アルバイトで頭の使い方が育ったら、
次は正社員に向けて、勝ちやすい舞台にはみ出していけばいい。
あるいは、堂々と今いる場を離れて転職すればいいし、
場合によっては同業他社や新天地に引き抜かれていくだろうし、
相応の組織の場合は、昇進することも可能のはずだ。
同様にして、
営業の数字を取ることや、
社内・社外での出世も、独立したあとも、
師事することで、動ける範囲を広げていくのだ。
「知識や事実を集め、言語化し、行動に移す」
ことで、自分の動ける範囲を広げていけばいいのである。
往々にして言えることだが、
仕事やビジネスが出来ない人は、
「徹底的に真似する」という師事が出来ず、
中途半端な我流が混ざっていることが多い。
真似をする対象を用意していないなら、まず本を探すしかない。
本を探すには、100冊1セットで本を探して読むしかない。
他方、そもそも真似をする本や質問できる人があるのに、
素直に徹底的に真似する態度がない場合というのも、少なくない。
これはちょっとどころか、ものすごくもったいない状態だ。
実例から話をすると、
困りごとを私に相談しているにも関わらず、
突然「これはこうだから…」と相談者が自説をひろげ、
自分から話の腰を折って、
そのまま失敗し続ける人がいる。
率直に言って、こういう人は100%伸びないと断言していい。
そもそも、伸ばす気がゼロなのである。
困りごとを相談するとは、瞬間的に師事しているのであり、
師事する上での返事は「はい」か「yes」だけである。
まずは素直に「はい」と答えて試してみる。
その上で「うまくいきました」か「これはうまく行かなかったのですが、どうすればいいですか」と返すだけでいい。
本当に伸ばす気があれば、報告か相談しか、師匠に話すことはない。
相談するからには、事実すべてをありのまま出し、その上で師匠が出した案を全部まるごと試してみるのである。
徹底的に真似するとは、参考書を徹底的に読み込んで覚えるのと同じということだ。
いっぽう、事実を出したり引っ込めたりして、勝手に弟子の側で内容を歪めるのは、文字通り半端者の証であり、未熟者コースだ。
これは映画やマンガでは、師匠に歯向かった後にズタボロにやられてしまう、ダメな弟子の典型である。
実力がないのに、素直さがないのなら、いつまでたっても成長できない。
まず師事するのであれば、教わる弟子は、
絶対にガンコになってはいけないことを知ろう。
「知識や事実を集め、言語化し、行動に移す」
というサイクルが、たったそれだけで回り出す。
伸び悩んだら、まず素直になって、
知識や事実というデータを集めて、
余す所なく自分にインプットするしかない。
boxcox.net、遠藤武。