はっきり言っておくと、
人の話を聞いているようで聞いていない人は、
単に事実を知ることができないくらい余裕がなく、頭が悪い状態なのである。
例えばコンサルティング会社出身者を名乗りながら、
事実を断片から捉えてしか動けない人を見かける。
率直に言って、こういう人ほどほとんどがITコンサルという名前のパッケージ導入代行業だ。
事業や企業の話をゼロべースから捉えられないし、
全体も個別も捉える統計学や財務モデリングはからきしで、
独立しても資本主義とは関係ない作業代行のキャリアを築いてしまっている。
「サラリーマンの実力はゼロどころかマイナス」と喝破している実力者は既に複数いるが、
要はサラリーマンだとごく一部の例外を除き、断片的なことしか触れられないためだ。
目の前で経験してきたことを重視するわりに、
それが断片的であるばっかりに、
ろくに人の話しを聞けず、事実を直視せず、
理路整然と間違えるクセがついてしまっているのである。
事実を直視していないがゆえに、
自分のビジネスの市場の現況である経営面の物事は把握できず、
今後30年から100年単位で起こる経済面・歴史面の物事には行き着けず、
テクノロジーに触れる機会に乏しく、知的水準が低いのだ。
このようなケースを、
「おかしい!バカじゃないのか!」
と素直に言い放てる人は、どれくらいいるだろうか。
本来であれば、もっとそういう人が増えるべきである。
誰かを貶めたいのでは決してない。
ちゃんと素直に進歩すべきということだ。
まず、素直に人の話を聞くには、
聞き手に余裕が必要である。
この場合の余裕とは、
時間的余裕である。
時間的余裕がないと、
学んで知的余裕を得ることができず、
それゆえに経済的余裕も得られない。
そうこうしているうちに、
関わらなくてもいい面倒な人や物事と関わり、
嫌な物事に巻き込まれて性格が素直でなくなり、
釣られて頭が悪くなっていく。
すると嘘で嘘を塗り固めるかのように、
人の話を聞けない人が完成する。
そうやって断片化してしまい、
これを聞いて、
「明日は我が身だ」
と思えた人は、根っからの素直な頑張り屋だ。
デイリーレポートを日々読みに来てくれている人は、
そんな前向きで素直に人の話を聞ける人だからこそ、
ストレートに言ってしまうおう。
余裕を先に確保しなければ、
どんなに優れていても頭の動きが止まってしまう。
嫌なことは何がなんでもやらないようにする必要があるし、
嫌になったらふて寝して自分の身を守る必要がある。
自分の声に素直になることから始めれば、
人に対しても素直になれる。
この原理原則を知っていたら、
少なくとも人の話を聞けない人を許せる。
人の話を聞けない人は、
今回の人生を反面教師として教えてくれているのだ。
距離をとりながらも「学ぶチャンスがやってきた」と思っておくくらいでいい。
boxcox.net、遠藤武。