管理職と効率。

daily6 人と技術と成長。

新任の管理職や上司は、まず現状を1〜3ヶ月は観察しよう。

決裁権があるからと言って、現状にすぐ「俺が俺が」と言い出すのは、

率直に言って無意味を通り越し、現行のプロセスの効率に迷惑をかける。

 

現実解。

前任者の代わりに入ってきた、
部門トップ(部長・本部長クラス)程度の職位では、
現状を観察し、部下に前向きに持ち上げてもらう仕組みづくりが最初の仕事である。

ターンアラウンドを使命として入ってきた経営トップや、
特定の部門を改革するために入って来た部門トップは、
ミッションを果たすために嫌われてでも物事を断行する必要があるが、
そうでない99%の側の「引退した前任者の穴埋め」の場合は、
「この人は付き合いにくい」と部下に思わせないだけでいい。

例えば、直近で大きな全社的プロジェクトが動いている場合、
そこに対して部門トップの立場で一家言を押し付けてしまうと、
プロジェクト全体が止まりかねず、その下にいるスタッフや中間管理職は、
いちいち忖度しながら動く必要が出てくる。

率直に申し上げて、このような上司は、
部下に仕事を素直に任せられない典型例であり、
部下から「リスクがある」とみなされてしまうと言っていい。

ちょっとしたことだが、
このような「底意地の悪い部活の先輩」のような状態は、
徹底して避けるべきである。

というのも、部下に少しでも敵の要素をつくってしまうと、
上司であるあなたが持ち上げてもらえず、
遠回りにあなたの自分自身の組織内の立場の成長や、
あなたの社内でのプレゼンスを下げてしまうからだ。

これは相当もったいないオウンゴールだ。

オウンゴールを避けるべく参考すべきは
「2代目社長の1年目」である。

「2代目社長の1年目」は、
現状を観察して現行を踏襲することが基本である。

組織に問題がない場合、新米の上司や新米の経営者には、
特段新しいことなど、はっきり言ってそもそも一切求められていない。

ひたすらつつがなく過ごし、聞く側に回って「よしなにする」だけでいいのである。

(2代目社長はさておき、仮に上司や管理職でつつがなく過ごす以上の物事が求められているとしたら、それは組織としての経営判断が間違っている。)

たったそれだけのひと工夫で、組織がプラスに動くのであれば、
上司や管理職である自分自身にとっても、部下である人たちにとっても、
効率の良さを超えて組織に価値が出てくる。

これを知って実行するだけで、自分のプレゼンスにもプラスに回るなら、
それ以上の効率は他にないと断言して構わない。

 

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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