「IT系」という言葉は、
今や明暗が分かれる言葉になった。
仕組みやサービスを圧倒的な実力で創る側と、
仕組みやサービスを作らされる下請け代行側に、
二分してしまっている。
前者は概して元気があって成長していくが、
後者は概して陰湿で「やらされ感」しかない。
ITコンサル(実態はコンサルではなく下請け代行)、
SIer(エスアイアー;システムインテグレータ)、
SES(ITとは名ばかりの派遣会社)
これらは就活生から嫌われる。
SESに至っては思いっきり毛嫌いされる。
この理由をストレートに言うと、
「事務作業の組み合わせを、論理的に実行するだけで、退屈なことばかり」だからだ。
論理的思考という言葉が、あちこちで用いられる。
「論」とは「言(げん)」と「侖(りん=思う、順序立てる)」の組み合わせであり、
本義からみれば「言で思いを順序立てる理」なのだが、
「論理的」という言い回しには、
機械的に順序立てるばかりで、
思いという視点が消えてしまい、
本音が乗らなくなってしまう。
本音を前向きに活かす要素がどこにもないと、
マネジメントで失敗してしまうか、
ずっと使われる側で止まってしまうのである。
「やらされ感」「本音が乗らない退屈な論理」は、
下請け代行の仕事に過ぎない庶務業務に成り下がる。
ストレートに言ってしまうと、何も生み出していないのに老害化する。
特に、起業とは無縁で、英語力もない場合、
IT業界(=SES,SIer,ITコンサル,基幹システム関係者)の実態として、
これをストレートに認める以外にない。
事務作業に毛が生えた程度のことしかしていないのである。
私はPgMOとして上の最上段のレイヤーから一次情報を知っているが、
サービスを提供するIT業界側も、お金を払うユーザ側も、
経営者も責任者も、理屈だけで動いてしまい、
サービス内容とシステム内容について、
本音を反映したマネジメントや運営の視点がないのである。
20代30代の優秀な若手ほど過度なまでにこの事実に気づいており、
40代50代以上で組織にしがみつくだけの残念人材ほどお気の毒なほどこの事実に無神経だ。
現実解。
とはいえ希望はある。
転職しやすいのがIT系の強みなのだから、
成長余地のない退屈な空間に別れを告げ、
さっさと次に移ってしまおう。
思いは、順序立てて、言動一致させればいいのであり、
新陳代謝の激しいIT業界だからこそ、
自分から行動して立ち位置を変えることもまた可能だ。
boxcox.net、遠藤武。