日本の大手製造業が事業を売却しているが、
これはつまり、
「現状のマネジメント大勢では製造業を維持できない」
という宣言だ。
重電大手が手放した売上高数千億円の製造子会社や、
重工系の地方拠点の工場について言うと、
「現場のマネジメントと人材とITシステムが古臭いままロックされ、キャッシュフローを見るFP&Aや管理会計が迅速に実行できない」
「それ以前に、経営陣にそのような知見も感度も何もない」
という具合に、何もかも固定化してしまっている。
事業売却に際し、固定化したしがらみを断ち切ると同時に、
外資ファンドが製品に着目し、ブランドとマネジメントを強化して、
更に高額で売却を繰り返す…というサイクルまでが一連の流れだ。
「大手製造業に入れば安泰」
そう言われていた時期は確かにある。
地方では未だにそのような視点が根強い。
長いものに巻かれて就社すると言えば早いだろうか。
実態は、商品力が強い割に、
システムや仕組みがアップデートができないため、
経営面で割を食ってしまっている、
資本メタボだと言うとわかりやすいかもしれない。
現実解。
そのような企業の実態を知ると、尖った特色があるのに、
ヒト・モノ・お金・情報をうまく活かせていないだけというケースが非常に多い。
大手だけでなく、売上高数億円で独自商品を扱う企業でさえ、
実は隠れた価値があると言っていい。
資本主義で言うと「磨けば光るタイプ」の企業が、
日本にはまだまだ数多くある。
不用意に事業売却せずとも、
価値をあげられるケースがあるなら、
そこには大きなチャンスが眠っている。
boxcox.net、遠藤武。