増客・集客の勝ちパターン(その10):真っ先にTAMを意識しておく。

三行世界。

TAM,SAM,SOMという市場の捉え方※が広まって久しい。

このうち、最初期や規模が小さいときの増客に真っ先に重要なのは、TAMである。

市場の大きさが取れて、その上で事業を支えるだけの粗利を得られることが基本だ。

 

※TAM(Total Addressable Market:対応可能な市場規模の総計),SAM(Serviceable Available Market:サービス提供可能な市場規模),SOM(Serviceable Obtainable Market:顧客獲得可能な市場規模)、TAM>SAM>SOMの順に規模が大きい。

 

現実解。

究極的には「市場規模があり、粗利が取れて、委任できる」なら、それで事足りる。

 

これには、回避すべき市場がある。

(1)TAMで見て市場規模が大きいものの、時間の切り売りである「下請けサラリーマン市場」
(2)TAMで見て市場規模が大きいものの、粗利が全然得られない「低価格すぎ市場」
(3)TAMで見て市場規模がとても小さいにも関わらず、粗利はそれなりにある「ニッチすぎ市場」

このいずれかの場合、そもそも「お客様の成功=自社の得意技や実力の発揮」が定義されていないか、とても乏しい状態であり、率直に申し上げて蹂躙されている大ピンチと言うしかない。

 

それぞれ見ていこう。

(1)「下請けサラリーマン市場」は、独立する場合に出口戦略から逆算しておくことが重要だ。案件を探してくれるエージェントに頼っているうちは、独立とは言わない。ただし99%は独自商品による「お客様の成功」をつくれず、脱下請けできずに終わる。最も警戒が必要だ。

(2)「低価格すぎ市場」は、ついうっかり大企業のやり方と同じにしてしまう、安めの価格設定や、人のオペレーションにしてしまう現象だ。特にBtoCの店舗ビジネスで起こりやすく、常識にとらわれない独自の「お客様の成功」が必要だ。まだ(1)よりは解決しやすいものの、そもそも実力が乏しい人が多く、セルフイメージや基礎知識が低空飛行するため、あなたがそれに該当するかもしれないなら警戒が必要だ。

(3)「ニッチすぎ市場」は、BtoBで特定業界向けのサービスを提供するがTAMが小さいというケースや、店舗ビジネスで1店舗しかなく座組みも薄いために売上規模を得られないケースである。 BtoBの場合は「自社の実力不足でSAMが小さい」と言い換えたほうが良いかもしれない。これも(2)と同じく、低空飛行リスクがある。

 

要は「一番最初に設定した市場がどこなのか」という、創業した経営トップの実力や基礎知識が、全て市場に反映されてしまうと言っていい。

 

追記。

もちろん、座組み次第でTAMを広げ、SAMを見通し、実際の売上となるSOMに行き着くことも可能だが。

ボックスコックスネット、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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