地方創生・地域振興ではなく、純粋な「ファン増やし」「お客様の成功が全て。

三行世界。

「遠藤さんは、地方創生や地域振興についてどう思いますか?都市圏はともかく、地方が衰退していく印象があるのですが、それはなぜでしょうか。」

 

地方創生や地域振興は、実際の指標はさておき、たいがい失敗してしまいます。

それは単に「お客様の成功」がなく、関係人口が得られないためです。

 

私が知る、目も当てられないほどひどいケースの話をしましょう。

移住者を支援金つきで募っているにも関わらず、地方が自分から嫌われにいく失策をよく見かけます。

例えば、自治体の観光施設があり、そこに幼児向け遊具スペースが併設されているケースがありますが、

それを使用可能なのは「その市区町村の住民か親戚が住んでいる人だけ」という制限もあります。

この制限があること自体は問題ではないのですが、

問題は、制限の事実が施設のウェブサイトに載っておらず、ふと都市圏から観光で訪れたが使用ができずに、

ギャン泣きの幼児と困り果てた母親を追い返した…という状況の放置です。

都市部であれば、ボーネルンドなどの幼児向け遊具付き施設があるため、有料でも入場するでしょう。

このようなことは絶対に起こりません。

ですが地方でこの体験をしてしまった場合、その地域は100%嫌われますし、もう二度と関わりたくないと思わせてしまうでしょう。

ママ友のネットワークは強固ですから「ここにはいかない方がいい」と思われたらアウトです。

せっかく移住や二拠点生活の候補になるかもしれないのに、みすみす逃しているのです。

私が相談されたり自分で見聞きして知るものは、これだけに留まりませんが、

中途半端な地方だとこういうバカげた状況を多く聞く印象があります。

 

それだけチグハグなのは、実施側が本気ではないからです。

ちゃんと同業他社の下調べもせず、ウェブサイトの更新も怠っているためです。

もはや公共事業だからといって、それが許されるわけではありません。

地方が衰退していくのは、自分が二番手三番手ですらないビリ側だという事実を認めずに、プライドだけ高くなり、事実を素直に認められないためです。

同業他社の下調べも、ウェブサイトの更新も、素直にやれば済みますし、それだけで強みが発揮されます。

仮に公共サービスだから無料…とする場合、それは完全にその自治体と縁もゆかりもない場合の利用を有料にすればいいだけの話です。

これは教科書通りの話です。

プライドは大事ですが、せっかく今持っている自分の強みや繋がりが、プライドのせいで台無しになったとしたら、プライドなど意味がないのです。

本当に、本気で移住を促進する気があるなら、これに類する事案は最低最悪の顧客体験だと、素直に認めて改める以外にありません。

失策をしておきながら「地方創生!地域振興!」と言い出すのは、あまりにも虫が良すぎます。

「ファン増やし」を怠っているためです。

どうということはありません。教科書通りの基礎すらやる気がなく、赤点をとって留年や退学になるようなヤンキーと同じなのです。

地方が衰退していくのは、事実を認めず、奇跡的に来てくれた方に「お客様の成功」をお届けすること怠った結果なのです。

 

現実解。

これと逆に、ちゃんと自分の強みを活かしているケースは、数が限られますが地方創生と呼べるものをうまくやっています。

アニメ作品の「聖地」と呼ばれる地域がこの好例と言えますが、この場合は地方創生・地域振興という枠などあっさり超えています。

「おらが村のルール」や「地元じゃ負け知らず」のような常識的発想では、そもそも強みが消えてしまうという事実を認めることが、スタート地点なのです。

突き抜けることが創生であり振興であるため、いったん「地方」というカンバンを下ろすほうが、邪魔がなくなるのです。

リキまず、純粋にチカラがある側になる方が、全てにおいて早く遠くまで行けるのです。

これに素直に気づけた順番に関係人口が作れて、うまくいくのですから、村八分にしているヒマなどありません。

 

追記。

ただし、だいたいは嫉妬や村八分が渦巻くため、関係人口増加という発想にすら至らずに終わることも事実です。

このスキを突いて、嫉妬や村八分が絶対生じない立場で立ち回るというのも、一つの勝ちパターンではあります。

ボックスコックスネット、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・社長向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています。

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて「仕組み化とデータ分析」の見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています。
(2025年2月に60回を超え、同誌における単独連載回数の記録を更新中)

・中央経済社より、今夏に書籍発売を予定しています。

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