どんなにばかげたものだろうと、くだらないものだろうと、逸脱はスタート地点だ。
逸脱は、疑問とエネルギーと行動を喚起し、知性や面白さに支えられて、新しい価値観を作り出す。
逸脱から、一回でも価値を作ってしまえば「出したもの勝ち、行動したもの勝ち」というだけでしかない。
最初はバッシングを喰らい続けたとしても、5年もすれば、
「なんでこんな当たり前のものごとが発想できなかったんだ?当たり前すぎるじゃないか!」
といった感想が、後付けでたくさん集まってくる。
個人的な経験で言ってしまうと、高校生のときに出た吹奏楽部の全国大会ですら、これと同じだった。
流行など一切お構いなしだった古風なスタイルは、明らかに当時の常識を逸脱していた。
演奏当時は評価が真っ二つで、匿名掲示板ではボロクソに貶されていた。
5年経ったらいつのまにか「隠れた名演」と評され、同じ曲に挑戦する団体が出てきた。
今は「一生の愛聴音源」とまでツイートしてくれる人がいる。
鬼の首を取ったような勢いで逸脱を貶せるのは、逸脱している物事に、溢れ出すほどのエネルギーがあるためだ。
そうでなければ、誰からも相手にされずじまいでしかないんだよね。