「知識より思考力だ」という発言がとても目立つ時代になった。
これは半分は正しいが半分は大間違いである。
ただ単に「知っておくこと」で決まる知識勝負は、さして役に立たない。
過去の知識は、あっという間に陳腐化してしまうためだ。
かといって「思考法をインストールしておく」だけでも限界がある。
思考法だけでは(特に論理的思考だけでは)、
知識を仕入れることに時間や労力がかかってしまったり、
臆見に邪魔されてしまうためだ。
「思考の材料としての知識を的確に仕入れてアウトプットする」
という発想が持てれば、「知っておくこと」も「思考法」も、
強力な両輪として活用できるのである。
大切なのは、この両輪で原野を掛けることができる視点である。
自由と懐疑心を持ち続け、物事のアップデートと古典に通じ、
アンバランスを保つバランス感覚に長けていることが基本だ。
ふと知識回収に走って「知っておくこと」を通じ、
今までのバランスを思いっきり崩してみることも、
実は新たな秩序を作るためには必要なことなんだよね。