データ分析ポジションの年収・待遇の上げ方と、成長の行き先。

データ分析ここだけ話。

「データ分析を手がけるポジションについて、実際のところ年収はどれくらいなんですか?労力から換算した際の、時給や単価も気になります。」

 

データ分析職は複数あるが、フルタイムで雇用される場合は、概ね年収400万円〜年収1500万円くらいである。

分野ごとに見ていこう。

 

データアナリストの場合、

年収は400万円から1000万円くらいだ。

それを超えるとしたら、データアナリスト分野だけだとちょっと厳しいかもしれない。

主にマーケティングや営業に関わり、売上に紐づくデータの分析を行うことが多く、

ExcelやBIツールで集計してグラフを作るだけというケースもある。

それを超える場合、機械学習や統計学をゴリゴリ使って予測や分析をすることもあるため、

エンジニアに近いスキルセットも想定できる(ただしエンジニアと違ってKPIをどう好転させるかがミッションだが)。

ほか、調査受託会社の場合、質問票を作って対応するケースが目立ち、この場は単価が安いわりにかなりニッチなリサーチャーである。

 

データアナリストを技術方向に拡大深化したデータサイエンティストは、

AIエンジニアが担うものつくり分野であり、

圧倒的多数の技術者ポジションと、ごく少数の起業家ポジションが混在する点に注意しておこう。

 

起業家ポジションや凄腕AIエンジニアの場合、上に書いたことと異なり、年収は青天井だ。

エンジニア寄りで、資本主義からは遠いポジションだったが、実はデジタル化で大きく変貌を遂げている。

 

FP&A(管理会計・経営企画)の場合、

年収は500万円から1500万円くらいだ。

それを超えるには、出世に時間がかかることや運に左右され、ハードルが高い。

主に外資企業に置かれているポジションだが、

JTC(日本の伝統的な企業)にも増えてきた。

売上予測・利益予測・キャッシュフロー予測を担う。

予算と実績の差異を読み取って、

各部門のトップと一緒に打ち手を考えて実行支援することが主な仕事のため、

やることは経営者にとても近い。

ただしFP&Aだけに最適化してしまうと、

経営者との紙一重の差がなかなか埋まらなかったり、

新規事業やテクノロジーに疎くなってしまう点に注意しよう。

ゼロから新規事業を作れて、テクノロジーを理解し、更にFP&Aを担えれば、その経験はめっぽう強い。

 

新規事業やコンサルティングの場合、

年収は600万円から2000万円くらいだ。

これらは正確に言うと、

「データ分析や、データ分析の関連分野を担う、重要ポジション」

ということになる。

具体的には、

デジタル分野の戦略やリサーチや新規事業、

ファイナンスを用いた戦略やリサーチや新規事業である。

デジタル関連であれば、大手外資コンサルティングファームやIT企業が、

ファイナンス分野であれば、外資コンサル・外資投資銀行・独立系調査会社が、

それぞれ役割を担っている。

上に挙げた年収を超えるには、

独立するか、新規事業立ち上げを通じ、

経営する側に回るしかない。

ここだけの話、狙いどころを誤らなければ、

デジタル分野だと道筋を作りやすい。

 

自分が道筋を作った話。

20代半ば過ぎに、

数理統計学とファイナンスの合わせ技で、

投資価値評価の新規事業を立ち上げした。

思いっきり資本主義ゴリゴリの分野だ。

サービス企画からプロダクト構築まで全て手掛け、

論文を読み込んで統計言語で数理モデル実装し、

1本20〜30万円のA4用紙3枚のレポートが、

投資を行っている金融機関向けに飛ぶように売れた。

サービスが固まって、

オペレーションを回す段階になってから、

1本のレポートが20〜30分で作れるようになった。

単純計算して1分1万円の単価で収益を上げていたことになる。

これは投資案件という資本の働きを見定める仕事だったがゆえに、

普通の労働では測れないため起こったことだ。

さすがにこれはラッキーパンチだと即痛感し、

心底「このままだと世界が狭まる!ヤバい!」と思ったので、

独立するまでに別ルートを複数経験したのだが、

この時の痛感とその後の経験は本当に役立っている。

時間の負荷を下げると同時に、

売上の効率を上げることでしか、

自分の待遇はよくならない。

サラリーマンと経営者の差がここにある。

 

現実解。

データ分析ポジションは、

つまるところ資本主義に行きつくと覚えておこう。

もし待遇が現在以上によくならないなら、

「労働時間」の考え方を捨てるところから始め、

「時間制約なしに資本に働いてもらう」という考え方に変わる必要がある。

私は常にFP&Aや会計や統計学やマーケティングを心底えこひいきしているが、

ゼロからプロダクトを作って売った立場として、

かつ組織ゼロ立ち上げからの急成長を経験した立場として、

行き着く先の事実はちゃんと伝えておきたい。

 

追記。

プログラミングがなぜ重要かというと、

「労働時間を減らすかゼロにするための創意工夫」

だからなんだよね。

かといってプログラマになれば良いということにならない事実が、また面白い。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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詳細は上記リンクを参照
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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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