クローズドデータ(非公開データ)を複数分野で扱っていると、圧倒的に強い。

データ分析ここだけ話。

データ分析やデータドリブン化が進むにつれて、残酷なほど格差が開いてしまっている事実がある。

オープンデータや断片的なクローズドデータしか扱えない「専門家・コンサル・アナリスト・(自称含む)学者」は、

極めて貴重なクローズドデータを数多く扱ってきた人に、一発でボロ負けしてしまう点だ。

要は、データドリブンが進めば進むほど、リサーチが効かないという事態が出てくるのである。

 

例えば、企業の財務データや、それを取り巻くCRMデータ・購買履歴データ・価格推移データは、

公開もされないし、機密データとして部外者に一切伏せられてしまう。

(kaggle等で表に出ることもあるが、あくまで下請けを起用という本音がそこに残りあり、偏りが生じる実情を否定しきれない。)

いくら自称学者や自称専門家が「データドリブンな社会を実現!」と鼻息荒く講演したところで、

FP&Aやモデリングや統計学やマーケティングやSCMや市場予測に横串で関わり、

実際にどのようなアーキテクチャや利活用があるか一次情報を知る人からすれば、

ものすごく薄っぺらく、クローズドデータにアクセスできる権限がないため、

その時点で「いくら何を言おうと素人のまま」なのである。

 

もちろんだが、ずっと勤め人として特定の分野だけをやっていたり、

あるいは横串で見ていても限界があるため、特定のデータ分析だけでそれ以上の実力がつくわけではない。

どこかで過去の栄光を捨て、次のステージへと飛躍していく必要がある。

具体的には、マーケティングができるならPL, BS, CFのモデリングができるようになるとか、

その上でITシステムやデジタル化や統計学やものつくりまで扱えて、

かつ組織作りができるようになるといったように、

データ分析について複数軸を持つようにするのである。

これらは私が経験したことであるが、

ここだけの話をすると、明確に優秀なロールモデルがいた物事でもある。

ロールモデルは複数あるのだが、うち一人(元上司)の話をすると、

誰もが知るBtoCの大手企業を海外進出させ、今はその本体のホールディングス会社で幹部を担い、

傘下の主要企業で代表取締役を勤めている。

私のサラリーマン時代、その元上司は当時39歳で戦略・マーケ・IT3部門を統括する本部長を担っており、

先に挙げたBtoC企業では30代半ば手前で海外進出の陣頭指揮を執った、規格外の異才だ(今もそれら3分野がコアになっていると聞いている)。

私が「これだ!」と思い真似したのは言うまでもないが、

「クローズドデータ」にアクセスできることと同時に、

全体をマネジメントする権限があることの強さを痛感した(権限とは最強のデータである)。

独立した今では、これより更に抽象度の高い経営の悩みや、複合的で大規模な全社戦略周りのクローズデータを扱うが、

いずれも権限やデータ分析技術を飛び越えて、非常に強力な仕組みだと実感している。

 

現実解。

まだまだデータ分析は伸びるが、

それは単に技術の話であると同時に、

アクセスできる権限や、利活用した経験という、

単にお金で買えない知見の要素まで含んでいる。

それだけでも、いったん組織に所属する意味は十二分にあり、

今までの専門家よりも強固な専門性を得られる立場となった。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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