ビジネスにおける戦略は、手段と明確に線引きしておく。

データ分析ここだけ話。

すでに知れ渡っているので言い切ってしまうが、ビジネスにおける戦略とは本音であり、手段と峻別しておく必要がある。

特にデータ分析分野では、財務モデリングや統計学や機械学習やプログラミングといった手段ばかりに目が向いてしまうことが多々ある。

手段とは、パッケージ化してあり、労働時間をかければ実現できる物事だ。

 

ゼロ立ち上げから2年経たずに年売上高50億円に迫るデータドリブン組織のBizDevをリードし、

かつ年売上高数百億円や数千億円や数兆円規模の計数管理と事業構造全体について横串で見た立場として言おう。

率直に申し上げて、年売上高10億円くらいでまでであれば、パッケージ化できないCFOやCIOやCMOは不要だ(必要か否かのギリギリ当落ラインは50〜200億円前後)。

例えば、資金繰りや借入金返済リスケを「CFOの仕事」と呼ぶことがあるが、実際のところビジネスモデルが勝てない状態が大半であるため、資金調達をいくら手がけても事業が伸びないケースがある。

その場合、CFOの仕事と呼ぶにはちと厳しく、事業の閉じ方の話だったり、別事業を買うための融資計画にとどまる。

単にファイナンスの基礎知識の話であり、若手や未経験者であっても、中小規模や中堅規模のM&Aを独自にしかける知見は勉強できる。

この知見は、さほどレベルが高くないため、経営者から見れば丸投げが可能だ。

 

そうではなく、本質は壁を乗り越えることにある。

壁を乗り越えるということは、本音を形にする勇気と知識が必要であり、さほどレベルが高くない半端者とは決別するということだ。

実情として、1桁億円から10億円前後で立ち止まるのは、経営トップに半端に勇気があるだけで知識がない場合が多い(逆のパターンもある)。

半端な勇気とは、基礎知識なしでも進める蛮勇のことだ。

繰り返すが、銀行融資や、マーケティングや営業のノウハウは、基礎知識どまりだ。

戦略の根本に基礎知識が掛け算されていない場合、ビジネスモデルがそもそも成長しない。

この場合、外部から手段としての基礎を引き入れるしかない。

もちろん手段は手段に過ぎないため、手段そのものに継続的な成長のきっかけはないのだが。

勉強不足だったり、手段だけの半端者だったりと、スタート地点やキャリアが小物である時点で全く務まらない。

あちこちで自称経営支援や自称コンサルが嫌われるのは、戦略と手段を混同しているからであり、単なる基礎知識を戦略だと言い切ってしまい、

その割に壁を乗り越えたこともない半端者だからだと知っておくと、腹落ちしやすいだろう。

そのような人に限って、群れたがり・喋りたがりだと覚えておくといい。

 

そうではなく、ちゃんと壁を乗り越えるには、本音を形にする戦略を知っている人を味方につける必要がある。

ビジネスの場合、本音を形にする味方の最低ラインは、ちゃんと壁を乗り越えるグロースを経験し、数千万円や1桁億円から数千億円超えの各段階について、人と数字の生々しい動きを大枠から詳細まで知っている人だ。

壁を乗り越えるとは「艱難(かんなん)、汝(なんじ)を玉(たま)にす」ということであり、局所最適化された思いや物事に立ち止まらず、徹底して全体最適化していく本音と基礎知識が必要なのだ。

実のところ、連載記事で書いているとおり、CFOの仕事について、CMOとCIOの要素が掛け算されており、

かつゼロ立ち上げや数千万円を経て、かつ数千億円超えを知っているという、各段階に通じたプロが、大手企業の経営トップに就く事例が出てきている。

これは単なる年功序列や、新卒入社から転職経験ゼロで果たせるものではない、ニッチな競技種目だ。

 

現実解。

戦略と手段の違いを意識する必要性について、浸透が始まったばかり。

今この瞬間こそが前倒しであり、知っておくとひたすらお得。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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