「常識を捨てろ」
そんな言い方をあちこちで見かけるが、
これをもう少し解像度高く描こう。
常識を捨てることで成長するとは、
つまり「デタラメを丁寧にやる」のだ。
単に「デタラメにやる」でもなく、
単に「丁寧にやる」でもない。
相矛盾するからこそ、
デタラメがいっそう輝く。
ここのところ盛り上がっている、
24時間営業の無人トレーニングジムのchocoZAPは、
デジタル化と仕組み化を駆使して、
お値段が張るイメージの強いトレーニングジムを、
極限まで低価格化して爆発的に広がった。
かつ、アプリによる会員管理を徹底しており、
サービスの顧客満足度もきっちり確保している。
もちろん、高価格帯のジムとターゲットと比べ、
運営方法もカスタマーサクセスも何から何まで異なる。
それでいいのだ。
何から何まで異なっているのに、
流行っているということは、
デタラメを丁寧にやったのだ。
単に常識を捨てるデタラメだけでは、蛮勇だ。
そうではなく、既成概念に反するデタラメを、
ちゃんと「欲しい!」と手が上がるように、
マーケティングと利便性確保を行う丁寧さがあり、
そのおかげで急速に広まった。
競合他社はどこにもデタラメがなく、
クソマジメで丁寧だっただけであり、
普通で常識的で退屈がられていたが、
見事なほどその常識を裏切ったのだ。
つまるところ、
世の中で流行っていく物事とは、
デタラメと丁寧を含んでいる。
その矛盾がたまらなく面白くなったり、
「それなら欲しい!」となったりと、
ついつい本音を刺激していくのである。
現実解。
デタラメを丁寧にやると、自分も他人も面白くなる。
追記。
迷ったら、さっさと動いたほうがいいのは、
デタラメを誘発するからであり、
丁寧にフィードバックする時間の余裕もできるからである。
恥をかくくらいで、ちょうどいい。
boxcox.net、遠藤武。