データ分析や数値化は、銀の弾丸(一撃必殺の解決策)のように取り沙汰されるが、
実のところ既にデータがあったり、数値化しやすい物事は、コモディティになりがちだ。
そうではなく、分析の本質はリアル(Real, 現実)とインサイト(Insight, 洞察)とドリーム(Dream, 夢)にある。
これらを大胆に繋げてはバラし、また繋げてはバラし…で、別次元に到達していくのである。
一次情報で言うと、ゼロ立ち上げでサービスを作って「欲しい!」と手を挙げてもらうことも、ゼロから短期間で急成長を果たしたBizDevも、データや事実や数値の分析手法は、あくまで数ある中のひとつの材料に過ぎなかった。
そうではなく、現実に即して洞察を出しながら、夢や妄想をどれだけ共有でき、その上で座組みやチームをつくることがコアだったのである。
本音ベースで快適に動けるようにすることで、成長の仕組みが初めて成り立つし、「欲しい!」と手が上がるのだ。
そもそもの話、データがあって分析の方法を当てはめるだけでは、偏狭で退屈ではないだろうか。
「FP&Aはレポートばかりでつまらない…」とか、
「数理モデルを作ってもビジネスサイドとそりが合わずつらい…」というのは、
現実から洞察出しするだけであり、成長の一翼を担う実感も権限もないため、退屈だ。
いっぽう、誰かの本音や妄想とも言うべき夢があるからこそ、商品やサービスが成り立ち、事業や企業が価値を生み出し、組織は円滑に回る。
この前提を無視してしまっては、全ての分析は上滑りするし、データ分析は「数式やBIツールによる可視化どまり」に終始する。
現実に即して洞察を研ぎ澄まし、既存のデータや時に新規データも使いながら、ゴールである夢を果たす。
現状維持せず、別次元に向かって主体的に成長を作るためこそ分析があると覚えておけば、分析がコモディティになることはない。
現実解。
リアル(現実)・インサイト(洞察)・ドリーム(夢)を軸に動くほうが、人の本音に寄り添っていて、結果的に楽で楽しい。
boxcox.net、遠藤武。