データ分析・FP&Aの最大の弱点と、その乗り越え方。

daily12 業界知識。データ分析ここだけ話。

薄々気づかれているから言い切ってしまうが、データ分析やFP&A(それと似たマーケティングやコンサルティングや金融)は、

それそのものが知識労働やプロダクトのユーザーであるため、プロダクトを作ることが極めて難しい。

これは、いくらデータ分析がもてはやされ年収が高くとも、最大の弱点である。

物事を叶えるための仕事として重要ではあるが、作り手になれず独立できない(独立しても労働代替のまま)という事実に目を向ける必要がある。

仕事のポジションはあくまで断片でしかなく、技術で上位互換されてしまう。

 

「統計ソフトやBIツールや会計システムはプロダクトじゃないか!」

という反論は想像がつくが、ソフトやツールやシステムを作ることは、

すべて計算機科学や数理工学や統計学といった「情報系」と呼ばれる分野に行き着く。

とすれば、そのユーザーというだけでは、作り手に回るのはかなり厳しい。

 

作り手とはどんなものだろうか。

一次情報で言うと、私は統計モデリングと財務モデリングを軸に、船舶の投資価値評価サービスを技術開発から事業の動線まで含め一気通貫で作り、

初年度で全件合わせて時価総額2千億〜3千億円くらいの投資案件をケアしていた。

この事業はリーマンショックで大ダメージを受けた当時の所属先の経営を助けることになるのだが、

率直に申し上げると、技術的に見れば「これが数年後に自動化や半自動化されたら勝てないな」とわかっていた。

業界のプレイヤーが少なく、1件あたりの時価が安くても10〜20億円と高額であるため、市場を席巻する自動化サービスは出ていない様子だが、理論的にはデータがあれば可能である。

このようにアタリをつけていくことが、作り手には求められる。

 

現実解。

FP&Aの最大の武器は何か。

組織の作り手を担える、高い立場である。

統計学だけの「呼称はデータサイエンティスト、実質はデータオペレーター」だと厳しいが、

FP&Aに限っては、組織を作って改革・改善することができる。

プロダクトの作り手になることが難しくとも、組織の作り手はもっと少ない。

ここに着目するのだ。

マネジメントの背景があり、かつ最先端の技術を駆使し、BizDevやBizOpsの観点を持ちつつキャッシュ・フローを向上できるとしよう。

その人は、資本家である。

単なるITツール導入コンサルや、戦略しか描けないコンサルや、作り手になれないマーケッターや、ベンチャー投資しかできない人など、あっさり上位互換できる。

 

追記。

仮にずっとFP&Aや経理部門やマーケティング部門にいて技術開発の経験がなくとも、

組織を作るために技術を使えるようになっていくと、プロダクトの作り手になれるかもしれない。

それだけ自由に想像を広げてもいいほど、データ分析の技術的背景が重要な世の中になったおかげで、チャンスは何度でもそこかしこにある。

 

追記の追記。

もっと言えば、ちょっとした技術開発や統計学で、FP&Aを上位互換させることはまだまだできるよ。

仕事のポジションはあくまで属人的で一時代どまりでしかないからこそ、手立てはたくさんある。

boxcox.net、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。
endoutakeru

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■遠藤武のやっていること■

・経営トップ向けに「仕組み化」のプライベートアドバイザリーを手がけています

・中央経済社『旬刊経理情報』誌にて、仕組み化とデータ分析に関する見開き2ページ連載記事を、2022年7月より月2〜3回ペースで執筆しています
(2024年8月に50回を超え、書籍化企画を進めています)

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