世界の海上荷動きを軸に実需の経済動向を予測し、そこからFP&Aに転じた立場として、はっきり言おう。
FP&Aやマーケティングにとって、そして無論経営にとっても、経済動向や予測に影響を受けるのは、時間のムダだ。
独立してビジネスモデルを立てるのであれば、極限まで経済動向に左右されない仕組みを用意すべきだ。
明け透けに言ってしまうと、経済予測は市販データベースと市販統計ツールがあれば、基本的なことは誰でも出来る。
そこから応用していくのだが、扱うデータと前提シナリオに、何らかの思惑や独自情報を変数として盛り込むことになる。
その過程で、経済予測の精度や説明力を上げていくのだ。
統計モデリングについては、何らかの文献や論文を根拠としているが、いくら独自性を出しても予測の精度や説明力に貢献しないのであれば、あまり意味はない。
むしろ前提となるシナリオの方が重要だと気付かされることは多々あるし、せっかく経済予測のシナリオを作っても、新たな動きが出れば即リセットだ。
もうお気づきかもしれないが、私が経済予測からFP&Aやマーケティング領域のアナリティクスに移り、ヘドニック法を軸とした価格と品質の考え方を重視しているのは、
いちいちリセットボタンを押されてしまう外野の経済予測よりも、価格と品質から逆算して「欲しい!」と手を挙げてもらい売上予測をしていくほうが、明らかに建設的だからである。
現実解。
経済予測は、自分を一人称にできない「経済動向という大きな機械装置」のお世話係である。
それよりも、自分を一人称として価値を出すために、目の前の世界を切り分けて「欲しい!」を予測していくほうがとても刺激的でワクワクすると思うのだが、いかがだろうか。
boxcox.net、遠藤武。