物事には明確に序列があり、
越えられない壁がある。
これは明らかに正しい。
いっぽう、
VUCAで先読みできない時代となった今、
過去の序列が形骸化しているのもまた事実だ。
具体的には、
数理統計学や機械学習の台頭で、
数学の位置付けが根本から変わった点が挙げられる。
基礎的な知性の証と見られていた受験数学が、
更にレベルの高い概念で世の中が上書きされ、
基礎として強く求められているにもかかわらず、
基礎として明らかに機能しづらくなってしまっている。
要はレベルが上がったゆえに、
基礎のハードルが上がってしまったのだ。
文系も理系もこの事実に巻き込まれている。
現時点で40代後半を超えていて、
第一線を退いている人は想像もつかないかもしれないが、
コンピュータサイエンスや数理統計学や機械学習は、
序列について、
1単位の基準や最大値を10X(テンエックス=10倍化)に導いてしまった。
それだけ既存の知識がアップデートされているのだ。
実際のところ、この状況下で、
過去の数ミリの小さい序列にこだわっているのは、
序列についてそもそも蚊帳の外にいるその他大勢だ。
「親ガチャ」「地域ガチャ」という言葉が取り沙汰され、
序列は生まれたときからはじまっているとバレた。
いくらお金を稼いでいようとも、
科学や文芸に頭脳を使いきれなかったら毛並みが悪いとバレた。
知識を誤用していると、
「基礎不足」として詐欺師扱いされるとバレた。
令和の今、
学んで序列を認めるしかない。
現実解。
スタート地点は自作自演で構わないが、
一定水準を超えたら、
さっさと上のレベルに行ってしまうしかない。
自分のレベルを変えずにとどまる人は、
そうとうレベルが高い人でも見かけるが、
そのような猫騙しが通用しなくなった。
猫騙しをしている人がいたら、
上書き消去してしまうチャンスだと言っていい。
boxcox.net、遠藤武。