事実を捉えていないと、
どんな立派に見える洞察も、
理路整然と間違えることになる。
特にデータ分析が広がってきて、
この傾向が顕著になった。
ありがちなのは、
例えば外資コンサルティング企業が出す、
業界ごとの新技術導入の予測レポートの内容だ。
NFTなどの新技術が食品業界に及ぼすプラス影響のレポートを、
SNS上で「すごい」「勉強になる」と取り上げているアカウントが多くいた。
これは群れているとブレる典型例である。
実態を言うと、
サプライチェーンの上流半ばや、
下流半ばを取り巻く環境には、
そもそも中堅〜中小零細企業が多く、
新技術どころか、
既存のサプライチェーンすら、
FAXや郵送でやりとりしているのがせいぜいであり、
工場制手工業の延長線上にとどまっている。
このような企業は、
導入に300万円くらいかかるシステムなど入れられない。
それどころか、年間数万円ぽっちの、
SaaS(=クラウドシステム)導入すら一苦労だ。
これらの理由。
単に経営面で依存心だけ強く、
勇気ゼロという事実があるだけだ。
そこに例外はない。
現実解。
経営の実態は勇気ひとつで動く。
この生々しい事実は、
理路整然としているだけでは、
一切捉えることはできない。
戦略コンサルティングがオワコンと言われてきているのは、
デジタル化が急速に進んできて、
戦略に関わるプレイヤーが爆発的に拡大し、
その変数が既存のインタビューでは読み取れなく、
現場の実態を見失っている点にある。
追記。
データが取れない状態を、
何も考えずに放置していると言い換えてもいい。
boxcox.net、遠藤武。